題名:するのだ。いつも。
報告者:ダレナン
本報告書は、基本的にNo.1635の続きであることを、ここで前もってことわりたい。
…ソウハチ伯父さんとうまくやってる?」(No.1635)
かつては伯父に、「カツオくんや。おまえは、ほんに、たらちね(だらしないの伯父のなまり)ーやつやな」といわれ、そのたびに説教となった。取っ組み合いも日常茶飯事であった。伯父にとっては、行方不明の父の代わりとしての存在を、僕に見せつけたかったのかもしれない。
それでも、あの日から、愛という山に登るたびに、僕のこころは、純粋なこころへと生まれ変わりつつあった。愛の頂きには、未だ辿りつけていない。でも、今の僕があるのは、琉花と晴美さんのおかげ、そう思える日々が続いた。伯父にも時折、「カツオくん。以前と比べて随分とええ男になってきたな。マグロ(カツオの父)にも似てきたで…。あいつは、まっこと漁師の鏡やったでー」と、僕に微笑むことも増えていた。
「ああ、母さん。伯父とはうまくやってるよ」
サヨリ:「なら、よかった。じゃぁ、仕事に出かけるけど、あとよろしくね」
アサリ、コンブチャン:「いってらっしゃーい」
そうして母は夜遅くにスナックに出かけた。最近は、玄関から母が出て行くのを見計らって、決まってアサリはこう言うことが増えた。
アサリ:「兄ちゃん、コンブチャンといっしょに飲む? あれっ…。いいかな…」
「アサリ、だからお前はまだ18才だろ、ええのか、それで…だか…
そう、言うか言わないかの間に、アサリは冷蔵庫の中から、図をもってきて、
カンパーイ」 するのだ。いつも。
図 明治牛乳1)
1) https://www.pinterest.jp/pin/775815473290606636/ (閲覧2020.2.20)