No.965

題名:夢世界と現実世界の融合 -超越的世界の開眼-
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的にNo.964の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 先の報告書にて夢世界における夢先案内人が脳内の脳の橋にあることを述べた。それは、ヒトだけではなく、動物等でも認められており、例えば、ネコのレム睡眠中に、ヒトと同じく、橋、外側膝状体、後頭皮質から記録される電気活動で、棘波と呼ばれる鋭い棘(とげ)上の波形の特徴が現れる1)。これが睡眠中の脳が夢世界へいざなうパルス(夢先案内人)でもある。なお、夢見における外側膝状体の中継路は、視覚情報を扱い、視覚イメージを作りだす領域でもある。そして、この領域は、現実世界では、眼からの入ってきた多量な視覚情報を取捨選択している領域でもあり、脳に整合性のあるイメージを作り出している領域となる2)。刺激となるきっかけは、夢世界では橋、現実世界では網膜と異なるものの、外側膝状体を経由することで、夢世界に明確な視覚イメージをもたらす。
 この視覚イメージは「どこに」、あるいは、「どこへ」という空間に関する情報として頭頂連合野で処理され、「なにが」という形態に関する情報として側頭連合野で処理される1)。ただし、夢世界の5つの特徴として①強い感情:恐怖などの感情を引き起こす扁桃体の活性化、②非論理的な内容:論理を無視して目まぐるしく場面が変化、③見せかけの感覚がもたらす印象:脳内で生まれた偽りの感覚、④出来事を無批判に受け入れる:夢の非論理的な内容を無批判の受容、⑤覚えておくのが難しい:目覚めてすぐ、数分のうちに忘却、があり3)、これを平易に言ってしまえば、「無責任なのに、脳のデープなところで非論理性のうちに感情を揺さぶる世界」でもある。この夢世界から逃れられない(逃れることはまずないが、)ヒトとしての宿命は、やはり論理ではなく、感情がベースとなっている(報告書のNo.351も参照)ことが、この夢世界へと至る構成からも裏付けできようか。少なくとも、橋は自己でコントロールすることができない部位である。すなわち、夢先案内人(橋)は、まさに、霊長類たるヒトが、人として文化を纏ったきっかけをおこした張本人でもあるのかもしれない。人が超越性を備えたのは脳の松果体にあり、それが第三の目とされるが(報告書のNo.759も参照)、この橋と松果体の連関を調べると、今後、ひょっとして面白い関係が見いだせる、かもしれない。
 人がまだ情報処理として第三の目を宿していたかつては、夢世界と現実世界との関連において夢が現実へと導かれた例は、インドの天才数学者にシュリニヴァーサ・ラマヌジャン氏として、報告書のNo.957でも示した。その他にもベンゼンの分子構造を夢世界で発見したアウグスト・ケクレ氏の例もある3)。このことから、夢世界をうまく利用すべく、橋-松果体連関として、現代の人知を超越するような太古の人類が夢見た世界の連関を体現できれば、超越的な夢世界を現実世界として掘り起こすことができる可能性もあろうか。その方法は、今はまだなんとも分からない。しかしながら、あの人に逢いたい気持ちや(図)、あの謎を知りたい気持ちの先に、橋-松果体連関として超越的世界の開眼も目覚めるのかもしれない。

図 Brain on Love4)

1) https://web2.chubu-gu.ac.jp/web_labo/mikami/brain/102/discus_6.html (閲覧2018.11.10)
2) https://news.mynavi.jp/article/20120216-a031/ (閲覧2018.11.10)
3) ミチオ・カク: フューチャー・オブ・マインド. NHK出版. 2015.
4) http://backtobasicsmedical.com/2016/02/brainonlove/ (閲覧2018.11.10)

 
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