No.956

題名:裏山にある…
報告者:ダレナン

 今日は天気が良かった。そこで、久しぶりに裏山に登ってみることにした。かれこれ10年ぶりぐらいだろうか。

 ひいじいさんから受け継いだその裏山は、ひいじいさんがまだ若く元気だった時代、木材が伐ったら売れた、挽いたら売れた時代だった。裏山で切り出された木材の製材業も盛んであった。僕が生まれる前は、従業員が何人もいたことを聞いている。しかし、すでに林業をやめてから20年以上経ち、近隣の林業ももはや斜陽産業で、現在は裏山にあった製材工場も閉鎖されている。そうして、放置された裏山は、年月を経て、うっそうと茂っていた。ひいじいさんが亡くなった後は、あまり裏山に近づくことがなかったが、ただ、今日はなんとなく裏山に登りたい気分であった。

 ひいじいさんの命日が近かったせいもあるからかもしれない。

 登ってみると、思ったよりも木が大きくなっており、すでにかつてあった道は、その痕跡がすっかり見えなくなっていた。しかし、小さい頃から頻繁に裏山に登っていたせいもあるのだろうか。なんとなく道筋の感覚はしっかりと覚えていた。

 「この木があって。この木もあって。おっ、目印がある。懐かしいなぁ。」

 かつてとある木につけた目印が見えた。その木は、このあたりで最も幹の太い木であった。木の肌がその他の木と違って、比較的すべすべしていて、目印がつけやすい木であった。実はいうと、未だになんという名前の木か知らない。

 むかしから裏山に登った証として、登るたびに、この木に印をつけていた記憶があった。

 「この目印。そうそうあの時は、ひいじいさんに怒られてむしゃくしゃしていたんだっけ。この目印も懐かしいなぁ…。あれっ、この印はなんだ。」

 よく見ると、見慣れない目印がそこにあった。自分でかつてつけた目印とは明らかに違う。よく目を凝らすと、その目印は矢印のようにも見えた。どうやら、もしかすると、この木の斜め後ろを指しているのかもしれない。

 「なにかあるのか?」

木の斜め後ろを覗いて見た。そのとき、
 (続く?)

 
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