No.851

題名:毛ガニをまつわる、カニ食の歴史
報告者:ちょろりん

 毛ガニは、一般的には毛蟹、毛ガニ、毛がになどと記載されるが、学術的な論文などではケガニとカタカナにて表記される1), 2)。しかしながら、ここでは馴染みを優先して、毛ガニと記載したい。
 毛ガニは、英語ではHair Crabという。Hairは毛であり、Crabはカニであることから、そのまま毛ガニと訳せる。専門的には毛ガニは、Erimacrus isenbeckiiとなる1), 2)。
 この毛ガニに関して、北海道を中心として有名なカニであることは今更でもいないが、その名の通り毛で覆われているカニであることも多くの人が知るところでもある。毛ガニの味覚は、甘く旨みの詰まった濃厚さを特徴とする3)。そのため、カニ食の中でも人気が高く、肉厚で、濃厚なカニみそのおいしさは、ここであえて言うまでもないであろう。その食べ方の一つを図に示す。二十歳以上の方限定となるが、大人の特権でもある食べ方である。食べ方? いや、飲み方かもしれない。余は満足じゃ、という感じであろうか。しかしながら、この毛ガニが食として利用されたのは、実は缶詰の原料とする1934年頃であり2)、それほど歴史が古いわけではない。
 海に囲まれた日本では、狩猟時代からカニを利用し、縄文海進の時代には、海岸線が現在の内陸部にも移動したことから、海の魚介類を食べて生活していた痕跡もある4)。そのことから、カニも古くから積極的に食べられていたことが予想される4)。しかしながら、一般的に毛ガニも含んだその他の日本の四大カニとされる、ズワイガニ、タラバガニ、花咲ガニのいずれもが、比較的海の底深くに生息する。

図 毛ガニの食べ方例5)

ちなみに、毛ガニは水深30〜200m6)、ズワイガニは水深40〜600m7)、タラバガニは水深30- 350m程度8)、花咲ガニは水深200m程度9)で生息する。そのため、これら四大カニの中でも、江戸時代でズワイガニが漁獲されたのが最も古く10)、タラバガニも明治時代以降で食された4)。花咲ガニに至っては不明であるが、四大カニともに、カニ食としては、意外と歴史が浅い。ただし、今ではカニと言えば、毛ガニやズワイガニの名前がすぐに挙がるも、その他のカニは、もはやカニ食の中ではマイナーな存在となったことは否めない。だからといって、図の、毛ガニの食べ方が、ひきょうな食べ方では、けっしてないじょーーーー。

1) 佐々木潤: ケガニErimacrus isenbeckii(BRANDT)の配偶行動(予報). 北日本底魚部会報 24: 41-54,1991.
2) 阿部晃治: ケガニの脱皮回数と成長について. BJSSF 48: 157-163, 1982.
3) http://e-osakana.jp/kani/四大かに/毛蟹/ (閲覧2018.7.7)
4) http://ore-kani.jp/kani-history (閲覧2018.7.7)
5) https://item.rakuten.co.jp/takasui/hamake2/ (閲覧2018.7.7)
6) https://xn--lck4c.co/?p=357 (閲覧2018.7.7) 7) https://xn--lck4c.co/?p=93 (閲覧2018.7.7)
8) https://ja.wikipedia.org/wiki/タラバガニ (閲覧2018.7.7)
9) https://ja.wikipedia.org/wiki/ハナサキガニ (閲覧2018.7.7)
10) http://kani.fukuishimbun.co.jp/enc/91.html (閲覧2018.7.7)

 
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