No.826

題名:うるうる瞳がもつ意味を探る
報告者:アダム&ナッシュ

 目は口ほどにものを言う、ということわざがあるように、目から受ける印象は強い。別に目から何か話し言葉が出る訳でもなく、言葉を発するのはあくまでも口であるが、口からの言葉がたいそう偉そうな内容でも、その言葉を発する人の目が泳いでいては、その言葉に何の意味も持たない。
 一方、目が泳いでいるなどの情報を得るのは、その人の目の視線や瞬き、場合によっては瞳孔の大きさなどが挙げられよう。文献1)にもあるように、人間の目は、他の動物に比べ際立って強膜(白目の部分)が白いために、目の動きが他人から見て非常に分かりやすいことが特徴とされる。さらに、人間は、コミュニティの中で周囲と協力して自分の意図を周囲に伝えて狩りや採取をすることが種族の生き残りに有利になったため、視線を操る、または、視線のルールを身につけることが対人コミュニケーションにおいて重要となることはいうまでもない1)。
 人間の視線は、意図や、情動、気分、個性などを表し、人と人とのコミュニケーションにおいて自分の視線を動かして、先の表出としての情報を送り、また、他人の視線からその情報を引き出すこともできる1)。その視線の背後にある意味については、以前に報告書のNo.544でも示したが、やはり目は心の窓でもある。そのため、視線の動きに関しては日頃から注意していないといけないが、それ以外の視線以上にうける影響の一つの効果に、潤んだ瞳(うるうる瞳)がある。このうるうる瞳は、視線そのものではないが、例えば、感情の高ぶりが目の涙腺を機能させ、目にうるうる感を与えるのは、誰もが知っていることである。一般的に、男性が女性の顔でまず最初に見るパーツは目であり、その中でもうるうる瞳や黒目がちに目にドキッとするという2)。言うなれば、うるうる瞳は感情の高ぶりを示し、黒目がちな瞳は瞳孔が大きくなっている、すなわち、あなたに興味がありますよ、的な意思表示ともとれる。例えば、図のうるうる瞳の女性は画像ではあるが、現実にこのような状況を、まさに目の当たりにしたならば、きゅん!となることは容易に想像がつく(実際の場面では、うるうるしていないかもしれないが、白黒で余計にそう感じやすいのかもしれない)。

図 うるうる瞳の女性3)

また、上級の女性は、目薬を利用して、あえて瞳にうるうる感を与えることもでき、特に、頭を傾けながら目尻から目薬をさすことによって、目全体に潤いが行きわたり、しぐさも女っぽい印象になるという4)。そして、目薬をさしたての涙のようなうるうるをたたえた瞳で彼を見つめれば、きゅん!として男性の心理を揺さぶることもできる4)。ギリシア神話に登場する怪物で、ゴルゴーン3姉妹の1人であるメドゥーサは、宝石のように輝く目を持ち、見たものを石に変える能力を持っていたが5)、うるうる瞳によって与えられる、きゅん!は、石にさせられるにも相当する魔法の一種なのかもしれない。

1) 武川直樹: コミュニケーションにおける視線の役割. 電子情報通信学会 85: 756-760, 2002.
2) https://ananweb.jp/soken/topics/research/164977/ (閲覧2018.6.11)
3) https://wallup.net/women-monochrome-face/ (閲覧2018.6.11)
4) https://www.andgirl.jp/0000011553?page=1 (閲覧2018.6.11)
5) https://ja.wikipedia.org/wiki/メドゥーサ (閲覧2018.6.11)

 
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