No.815

題名:チキンはなぜチキンというのか?
報告者:トシ

 所謂心が弱いことような人物を指してチキンという。しかしながら、なぜチキンというのであろうか。同じような用語として豆腐メンタルもある。これに関しては、豆腐の壊れやすさとメンタル(精神)の重なりから、壊れやすい精神となることは分かりやすい。なお、豆腐メンタルに関しては報告書No.358で示したので、詳しくはそちらを参照していただきたい。ただし、チキンの由来かどうかは別として、スピーチ前などで何かの緊張がもたらされることによって毛が逆立ち、鳥肌が立つこともある。ニワトリを見ると、毛が逆立っているが如く鶏冠があり、もちろん鳥であることから鳥肌持ちであろう。一般的に、それらの見た目の現象から、チキンと揶揄されたのかについて、キチンと調べなくては、チキン的な精神を持つ筆者としては、より精神の脆弱さを招くかもしれない。そこで、本報告書では、チキンはなぜチキンというのか、について調べたい。
 チキンの由来について調べると、文献1)に早くも回答がのっていた。この辺がインターネットの情報の偉大さでもあるが、ここで改めてチキンについて示す必要性もなかった。すなわち、検索すれば、この報告書でチキンについて解決するよりも、文献1)ですぐに解決できることになる。しかしながら、あえて示すと、チキンは英語のchicken heart(ニワトリの心臓)という言葉からきており、実際のニワトリの心臓の大きさを見ると、人差し指の先くらいの大きさしかないという1)。そのことから、「小さな心臓」 ⇒ 「気の小さい」、「小心者」、「臆病者」、[弱虫」、「腰抜け」と言う意味に変化したとされる1)。そこで、ここでは、これを物的に確認すべく、各動物の心臓の比較をしたい。それを図を示す。これを見ると、グラム数ではチキン(Chicken)/人(Human)では、1500/90000 = 0.0166…倍となる。しかしながら、心拍数(Heart Rate)はチキン/人 = 275/604.583…倍となり、かなりチキンはドキドキしていることとなる。ちなみに、人が緊張した時、例えば、先に示したスピーチ前後での心拍数は本多麻子博士3)によって調べられている。博士の報告によれば、スピーチ課題前の心拍数が平均112.7 bpmで最も高く、次いでスピーチ課題遂行中の心拍数 が平均103.8 bpm、質疑応答中の心拍数が平均95.1 bpm

図 各動物の心臓の比較2)

であった。単位のbpmはbeats per minuteの略であることから、図の/minuteと同じである。この観点から図を見直すと、これでもチキン(ニワトリ)よりもドキドキはしていない。ということは、チキン(人)でもスピーチ前のドキドキは、意外とキチンとしているのかもしれない。

1) https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1069333330 (閲覧2018.6.1)
2) https://d3awy9hqkleb4r.cloudfront.net/wp-content/uploads/2013/02/heartbeats.jpg (閲覧2018.6.1)
3) 本多麻子: スピーチ場面における緊張,不安および心拍数の時系列変化の関連. 白鷗大学教育学部論集 5: 183-195, 2011.

 
pdfをダウンロードする


地底たる謎の研究室のサイトでも、テキスト版をご確認いただけます。ここをクリックすると記事の題名でサイト内を容易に検索できます。



...その他の研究報告書もどうぞ