No.783

題名:2次元ラブと腐女子 -111001101000010010011011からの愛の現実-
報告者:ナンカイン

 本報告書は、基本的にNo.782の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 2次元ラブと腐女子は、現在の日本には欠かせない用語の2つでもある。2次元ラブは、所謂アニメーション(アニメ)やゲームなどの特定のキャラクターしか愛することができず、現実世界と対比させた3次元人類にはあまり興味のない男性、あるいは、女性を指し、腐女子は、ボーイズラブと呼ばれる男性同士の恋愛を扱った小説や漫画などを好む女性のことを指す1)。ただし、2次元ラブは、Web一般の現在のスタンダードともなったインターネット百科事典のWikipdiaには存在しない用語のため、もしかして使い方が誤っているかもしれない。そのため、読者の方で誤った用語ではないか、と思われた方もいるかもしれないが、そこは、筆者の浅学さを謝ると同時に、おおよそ先の意味合いとして使っていることを推測していただければ幸いである。
 先の報告書では、”アイ”という記憶があってこそ、アートであっても物質化された”愛”となるフィクション的な偽記憶への原動力となることをほのめかした。一方で、基本的に2次元ラブと腐女子も対象となる媒体は、アニメやゲーム、小説、漫画などとなる。そこには、現実にはない世界への”アイ”となる。ただし、アニメやゲーム、小説、漫画は物質として存在することから、”アイ”は”愛”として現実性を帯びたものへと変化する。そのため、媒体が変わっているだけで、”アイ”は依然として”愛”として存在しうる。そこには、2次元ラブと腐女子の理想となる”アイ”を求めた結果として、”愛”がある。
 一方、究極的に愛の現実とは何であろうか。少なくとも今ここに書いている原稿の媒体はデジタルである。文面に”愛”があっても、単純に2進数にしたならば、” 111001101000010010011011”となる2)。この” 111001101000010010011011”に、”あい”は感じられない。ただし、英国サセックス大学の神経科学者であるAnil Seth博士3)によれば、現実とは、外部からもたらされる受動的、かつ、内部から作りだした積極的な世界への認識に基づく、幻覚への互いの同意を指す。また、その同意の核となる自分という体験、あなたであるという特定の体験もまた、脳によって作られ、制御された幻覚でもある。すなわち、現実は幻覚から生じる。その幻覚は、生命体としての自分であるという経験がもたらした知覚が、記憶や人との関わりの豊かな組み合わせとして織りなしたことによる生命体としての性質となる意識をもたらす。このSeth博士の考えに従えば、” 111001101000010010011011”は、知覚できれば意識的に”愛”となる。これは、ニューロンが活動する際のALL or Nothing(0 or 1)となんら変わりはない。
 「ブルーは熱い色」から現実世界における愛の説明を引用すれば、「友愛の情と愛欲の間に厳密かつ不変なる境界線など、ありはしない」。これを先と合わせて拡大解釈すれば、” 111001101000010010011011”に何かしらの知覚を受け、そしてそこから何かしらの意識がもたらされれば、2進数であろうとも、境界のない”愛”は、幻覚的な現実として互いに同意され、存在しうる。下図のようにデータであっても、そこには存在として”愛”の価値が生じている。

1) https://ja.wikipedia.org/wiki/腐女子 (閲覧2018.4.19)
2) http://berta.s27.xrea.com/cgi-bin/jto2.cgi (閲覧2018.4.19)
3) https://www.ted.com/talks/anil_seth_how_your_brain_hallucinates_your_conscious_reality/transcript?language=ja (閲覧2018.4.19)

 
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