No.750

題名:サルデーニャ島の考古遺跡ヌラーゲ、主要ヌラーゲの場所と石組構造のバランス
報告者:トシ

 本報告書は、基本的にNo.749の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 イタリアのサルデーニャ島にある考古遺跡ヌラーゲは先史(文字を使用する前の人類史に相当する)時代からの巨大石による建造物であり、その目的は未だに明らかになっていない(先のNo.749を参照)。しかしながら、セメントなどの石組みの接着剤に相当する物質もない時代に組み上げられたその構造は、巧妙な石と石とのバランスの上に成り立ち、現代の技術を用いても困難と思われる工法を用いている1)。そのため、その当時のヌラーゲを建設した技術者のレベルの高さがよく理解できる。そこで、本報告書では、まずサルデーニャ島にある主要ヌラーゲの場所を提示し、当時の技術者によって考えられたヌラーゲの石組構造のバランスについて検討したい。
 サルデーニャ島のヌラーゲは、現在は約7000個あるが、最盛期の当時は最大3万あったとされる2)。その島内における主要なヌラーゲの位置は図1に示す通りである。そのほとんどは今では上部がすでに崩れたものの、推定で90フィート(約27m)の高さを誇り、初期のヌラーゲの高さは謙虚であるも、後期の複雑な建設計画に従って高くなることが知られている2)。ちなみに、先の報告書のスー・ヌラージ・ディ・バルーミニの中央塔の元の高さは、約18.5mであったと推定されている4)。

図1 サルデーニャ島のヌラーゲの位置3)

このヌラーゲの石組みは、下部では上に積み重ねるも、上部は少しずつ内側に持ち送り、最後は上部を閉じる。ここで、仮に5つの石からその方法を単純にモデル化すると、図2のようになる。ノッティンガム大学のWilliam Cavanagh博士ら3)によれば、ここでは単純な持ち送りの原理があるという。5つの同一重量Wの各矩形ブロックを考え、互いに重なり合って配置されているとすると、ブロックはそのさらに下部ブロックを越えて突き出る。しかし

図2 ヌラーゲの石組みのバランス3)

しながら、バランスを取るために、上のブロックの重力は通過する下部ブロック上にあり、その下部の2つのブロックの重心がさらに一緒になり、その下部のブロック内に通過する。これによって、あらゆるブロックは右図のように転倒することがなくうまくバランスを保っている。

1) https://skyticket.jp/guide/120875 (閲覧2018.3.14)
2) http://www.ancient-origins.net/history-ancient-traditions/mysterious-nuragic-civilization-sardinia-004841 (閲覧2018.3.14)
3) Cavanagh, WG, et al.: An investigation into the construction of Sardinian Nuraghi. Papers ofthe British School at Rome 55: 1474, 1987.
4) http://whc.unesco.org/en/list/833 (閲覧2018.3.14)

 
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