No.615

題名:謎の海底生物はジオフロンティア計画の夢を見るか? -そのⅡ-
報告者:ナンカイン

 先の報告書のNo.614にて、謎の海底生物に迫った。その生物は、メタノバクテリウムの仲間であり、微生物であることが分かった。さらに、人間は微生物とともに共生する立場にあり、さらに細菌は人間の細胞を操っていることから、表向きの人間はガワかもしれず、したがって、人間の魂は微生物により宿るのかもしれない、ことも示唆された。ここでは、その人間を支配している微生物が、仮に先のメタノバクテリウムとしたら、となかば強引に考え、謎の海底生物のメタノバクテリアが意思を持つようになり、人間と同じ「超有機体」として活動すると、やがてその住民は、家を建てるであろうことが夢想できる。そこで、この考えを平易に表題へと直すと、「進化したメタノバクテリアはやがて地下に家を建てる計画を夢見るか?」となる。決して見ないという方もあるであろうが、人類がこの世からいなくなった世界では、地下に住むメタノバクテリアはさらに進化を遂げ、家を建てる夢想もするであろうという可能性は、決して0%ではない(と思う)。
 人類も単なる掘ら穴から、家を建てることで大いに進化した。ジオフロンティア計画とは、まさに人間が考えている地下で生活する壮大な都計画とも捉えられる。東京工業大学の竹村次朗博士によれば、ジオフロンティア計画は地下空間を創造することであり、地下がまさにニューフロンティアとなる1)。
 昨今の様々な要因による地下シェルターのブームはむろん、軍事的な背景があるも2)、地下に壮大な都を建てることは、地下シェルターの閉鎖的な問題も一挙に解決され、場合によっては地上よりも快適に過ごせるかもしれない。地下空間の開発に伴う長所や短所については、

図1 オデッセイア21構想3)

文献1)に詳しく記載されているので、興味のある方はそちらを参照していただきたい。
 ここでジオフロンティア計画の一つを示すと、例えば、日本の大手建設会社の一つである熊谷組によるオデッセイア21構想が、その地下都市の計画の一つになる3)。図1にその地下都市を示す。この構想では、商業施設や公共施設などが配置され、そのまわりに駐車場や工場、オフィスなどがあり、さらに、地下都市と地下都市の間をリニアモーターカーや高速道路が結んでいるとされている3)。これと同じように図2にような建築中、こちらは鹿島建設による工事中であった東京電力玉原発電所の地下空間であるが、この図2を見ると、進化したメタノバクテリアも何やらときめくのかもしれない。
 「これこそが、我々が欲していた空間である」と。少なくとも筆者はこの図にときめきを覚えた。

図2 東京電力玉原発電所の地下空間3)

1) http://www.geotech.cv.titech.ac.jp/~jtakemur/underground_1(2).pdf (閲覧2017.9.28)
2) http://www.huffingtonpost.jp/2017/04/26/shelter_n_16283004.html (閲覧2017.9.28)
3) http://www.jsce.or.jp/contents/hakase/tunnel/tunnel18.html (閲覧2017.9.28)

 
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