No.591

題名:Deadの健康を人間関係(正確にはDead関係)から探る
報告者:トシ

 本報告書は、基本的にNo.590の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 報告書のNo.589にてDead(ゾンビ)の健康をWalking量から診たが、それは徒労に終わった。そこで、報告書のNo.590にて、Dead(ゾンビ)における食への追求心という観点から、Dead(ゾンビ)の健康を類推し、Dead(ゾンビ)には、それが健康とさせる一助となっていることが示唆された。ここでは、報告書のNo.589にて示唆したDead(ゾンビ)の健康のもう一つの秘訣として考えられる、人間関係(正確にはDead(ゾンビ)関係ではあるが)におけるストレスのなさについて考えたい。
 一般的に、人においてストレスの原因となるものに、人間関係がある。例えば、公衆衛生学を専門とする東京大学の荒記俊一博士ら1)よれば、職場のストレスは、それ自体が身体、および、精神障害の重要な危険因子となり、喫煙、飲酒など疾病の危険因子を増大させるとともに、欠勤率や転職率など社会行動面にも影響を及ぼすことを報告している。そのため、職場ストレスの対策として、①職場の社会心理的環境の改善、②職場ストレスのサーベイランス(調査監視)、③知識の提供、教育、および、訓練、④職域精神保健サービスの拡充の4つを挙げている。
 一方、Dead(ゾンビ)の職場は、歩きまわる距離や時間(報告書のNo.589)から推測すると、時間が経過すればするほど、全地球上をも歩き回っていることにもなる。ゾンビウイルスの感染の速さ(報告書のNo.354とNo.487も参照)からも推測すると、3.5~8日には感染者と非感染者が逆転し、AMCにより放送されたThe Walking Deadからすでに10年間を経過したことから、もし仮に、10年前に真のゾンビウイルスによるパンデミックが地球上に起こっていたとすると、全地球上にはもはやDead(ゾンビ)がはびこっている換算となる。これらのことから、10年経過した今やDead(ゾンビ)の職場は、すでに全地球上である、とも言えるのかもしれない。しかしながら、である。Dead(ゾンビ)にはDead(ゾンビ)となる以前の生活習慣も現れ、ショッピングセンターに行く、自分の家に入ろうとする、などの行動がゾンビやThe Walking Deadでも認められている。これは、すなわち、本能的に生きているとされるDead(ゾンビ)も、10年経ったとしても、全地球上を歩き回るというよりも、生活していた近辺を歩き回っている、ことがほとんどの生活で占めていることをも意味する。ゆえに、恐ろしいことに、感染者が多くなったとしても、生活習慣をぬぐえないのは、鎖に繋がれた象の如く(報告書のNo.517も参照)、Dead(ゾンビ)も人も同じである。そのため、Dead(ゾンビ)になる以前の職場のストレスも、そのままDead(ゾンビ)の心理的には持ち込んでいることもあり得る。したがって、人間関係から生じていたストレスも、Dead(ゾンビ)関係におけるストレスとして、成立している、に違いない。
 LINEのスタンプにはfeik_D氏作成による「ポジティブゾンビくん」がある。それを図に示す。この図のようにDead(ゾンビ)となっても健康でよい生活を送るには、Dead(ゾンビ)になる前の生活習慣を見直すことが、今から必要となるのかもしれない。Dead(ゾンビ)になると当たり前ではあるが、ストレス対策が取れないからでもある。

図 ポジティブゾンビくん2)

1) 荒記俊一, 川上憲人: 職場ストレスの健康管理:総説. 産業医学 35: 88-97, 1993.
2) https://store.line.me/stickershop/product/1036243/ja (閲覧2017.9.4)

 
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