No.463

題名:世界初のコンピューターの歴史を計算せよ –そのⅠ-
報告者:ダレナン

 現在のスマートフォン(スマホ)にはCPU(Central Processing Unit)やストレージ、メモリ、タッチパネルなど様々な技術が生かされている。それを図に示す。その他にも図のような技術が使われているが、図内に記載されているようにパーソナルコンピューター(PC)もスマホも構成ではほとんど同じである。一部、センサーや無線部などはスマホ独特の技術ではあるが、内部的にはPCと変わりがない。現在のスマホを見るまでもなく、コンピューター技術は著しく発展し、次第に小型化した。しかしながら、原理は基本的に今も昔も変わりはない。2進数の0と1で計算されている。

図 スマホの構成1)

 いわゆるコンピューターの基礎を作ったとして有名なのは、天才のジョン・フォン・ノイマンであり、報告書のNo.218やNo.389でも記載したが、その業績から彼はコンピューターの父とも呼ばれている2)。その一方で、ノイマンが活躍した時代背景、言い換えるとコンピューターが発展した時代は、第二次世界大戦があり、軍事的な目的も絡んで、コンピューターの歴史を非常にややこしいものにしている。計算するも計算しにくい人間的な模様が映し出される。正式には、ノイマンは、EDVAC (Electronic Discrete Variable Automatic Computer)という機械の開発に参加した人物で、このEDVAC以降において、独立した記憶装置にプログラムを内蔵するより実用的なコンピューター、今のコンピューターの元祖であるノイマン型を誕生させた2)。しかしながら、ノイマンは、このEDVACの仕組みに関して論文「First draft of a report on the EDVAC」3)を1945年に発表した人物でもあり、コンピューターの仕組み自体の発案者は、文献4)が示すように、ジョン・アタナソフと当時院生であったクリフォード・ベリーとされる。それがアタナソフ・ベリー・コンピューター(Atanasoff-Berry Computer)で、通称頭文字をとってABCと呼ばれる機械である4)。1939年のことである。これが本当のコンピューターの機械の歴史の始まりとなるのであろう。ここで、ABCと言えば気になるのが、元Googleの創始者のひとりであるラリー・ペイジが新たに興した企業のAlphabetのサイトがabc.xyzとされていることである。Googleの語源は、数学の最大単位であるGoogolが由来であるが5)、もしかすると、Alphabetのabcは、先のコンピューターのABCと関連させているのかもしれないと邪推できる。Googleでは情報を制して、Alphabet、ABCでは情報を制する機械的な存在への移行である。だが、それは一旦置いて話を元に戻すと、ABCを基にジョン・モークリーとプレスパー・エッカートはENIAC(Electronic Numerical Integrator And Calculator)を1946年に完成させる。この存在が、その後のEDVACへの完成(1951年)に繋がる。ただし、ここまではアメリカでのコンピューターの歴史となる。

1) 嶋是一:コンピューターとスマートフォン. Tech Institute アプリ開発者養成講座テキスト. 筧捷彦, 柴田文彦(監修). 角川アスキー総合研究所. 2014.
2) https://www.wizforest.com/OldGood/edvac/#turing (閲覧2017.4.18)
3) http://www.virtualtravelog.net/wp/wp-content/media/2003-08-TheFirstDraft.pdf (閲覧2017.4.18)
4) http://danjo.city.kashiwa.lg.jp/gakushuu/pcschool/pc_history/comp_history04.htm (閲覧2017.4.18)
5) http://ot7.jp/archives/221 (閲覧2017.4.18)

 
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