No.2950

題名:今日のお題は、「灰の中、土の中」
報告者:ダレナン

(No.2949の続き)
僕と君は気が狂いそうだった
けれど、ふたりの呼吸は奇妙に重なって
まるで美しい病のように
この地獄または天国を舌の上で味わった

ひび割れた空に爪を立て
燃え落ちる街の音に耳を澄ませば
それは甘い旋律のように
まだ終わらないと
誰かが囁いていた

この地獄または天国は
全部、元に戻せるのか?
崩れた記憶の断片を拾い集め
血のにじむ手のひらにそっと握った
でも、それは僕の手に負えないものだった

君の瞳に宿る遠い夜
その静寂は、僕の人生ではなかった
それは君の人生に入り込んでいた
すでに汚れた夢の中に
青白い光を灯していた

灰の中、土の中
何度も僕らは埋葬された
けれど、忘却のたびに君の声が響く
「まだ終わらせるには、足りないの」と

快楽のような痛みと
痛みのような快楽が
交互に舌を這い、心を裂いた
でも僕は、それを愛していた
その先に、君がいたから

 
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