No.2945

題名:今日のお題は、「Babyfaceの曲「Every Time I Close My Eyes」のBabyface節全開について」
報告者:ダレナン

(No.2944の続き)
名曲「Every Time I Close My Eyes」は、まさにBabyface節(ぶし)全開の一曲です。ここでいう“Babyface節”とは、彼の楽曲に共通する洗練されたメロディライン、極上のバラードアレンジ、そして繊細かつ情熱的な愛の表現が織り込まれた独自のスタイルのことです。この曲は1996年のアルバム『The Day』に収録され、スティーヴィー・ワンダーのハーモニカ、ケニー・Gのサックス、さらにはバックコーラスにマライア・キャリーという豪華布陣で仕上げられています。

■ Babyface節の要素と「Every Time I Close My Eyes」での発揮ポイント
1. 甘くて切ない愛の世界観
歌詞の中心は「君がそばにいることの奇跡と感謝」。

《And every time I close my eyes / I thank the Lord that I’ve got you》
―目を閉じるたびに、君がいることを神に感謝する――
このフレーズに代表されるように、過剰なまでにロマンティック。Babyfaceは常に“愛の奇跡”を語る名手であり、その真骨頂がここにあります。

2. 滑らかで流れるようなメロディライン
ピアノを基調としたコード進行の上に、憂いを含んだメロディが丁寧に紡がれていきます。メロディが一度聞いたら忘れられないほど自然で美しいのは、Babyface節の真骨頂。

3. 多重コーラスとシルクのようなアレンジ
コーラスワークはふわりと空間を包み込み、決して前に出すぎず、でも確実に感情を支える。マライア・キャリーがバックコーラスで参加しているのも贅沢ですが、その声すら楽曲に溶け込んで一体化しているのはBabyfaceの緻密な構成力のなせる技。

4. 完璧主義的なプロダクション
音数は決して多くない。にもかかわらず、隙がない。ベース、ドラム、ストリングス、ホーンが完璧にバランスされ、耳に心地よく、感情を引き出すためだけに存在しているように感じられるのが、彼のプロデュースの真骨頂。

■ Babyface節の真髄とは?
Babyfaceの真髄は、「愛」を語りながらも決して“重く”ない点にあります。
それは、シンプルな言葉で深い情感を伝える表現力。

「Every Time I Close My Eyes」はその代表格であり、聴く者の心を“理屈ではなく感覚”で包み込むような力を持っています。
この曲は、Babyfaceが「歌い手」でもあり「プロデューサー」でもある強みが凝縮された、まさに自らの美学を体現したバラード。Babyface節の魅力がこれでもかというほど詰め込まれた一曲です。

 
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