題名:今日のお題は、「君の絵」
報告者:ダレナン
(No.2830の続き)
君の絵を初めて見たとき、正直に言えば、衝撃を受けた。
僕も絵を描くのは好きだった。でも、君の描く線の美しさ、色の組み合わせの妙、そこに込められた感情の深さを目の当たりにしたとき、僕は自分の才能のなさを思い知らされた。
それからしばらくの間、僕は筆を握ることができなくなった。描けば描くほど、君の絵と比べてしまい、無力感だけが募った。でも、やがて僕は気づいたんだ。僕には絵の才能はなくても、別の形で表現する道があるかもしれないと。そうして僕は映像の世界へと足を踏み入れた。
君と過ごした時間は、僕の中で特別だった。君は自由に、楽しそうに筆を走らせていた。その姿を見ているだけで、なぜか胸が苦しくなった。それが嫉妬なのか、憧れなのか、当時の僕には分からなかった。でも今ならはっきりと言える。僕は君に嫉妬し、そして君に恋をしていた。
あれから何年も経った。僕は映像の仕事をするようになり、それなりに充実した日々を送っている。でも、ふとした瞬間に君のことを思い出すんだ。今でも君は、あの頃のように絵を描いているのだろうか。
もしもまた会えたら、僕は何を話せるだろう。君に当時の気持ちを伝えることができるだろうか。いや、もうそんな必要はないのかもしれない。ただ、君が今でも幸せであってほしいと願うだけだ。
それでも、やっぱりもう一度、君の絵を見てみたいと思ってしまうのは、わがままなのだろうか。
今日のお題は、「君の絵」