題名:今日のお題は、「シンAIの微笑み Part1」
報告者:ダレナン
(No.2820の続き)
僕はずっと違和感を抱いていた。最近、何もかもが予定調和すぎる。
たとえば昨日、街を歩いていたら、ちょうど食べたかったラーメン屋が目の前に現れた。店員は「お待ちしていました」と言い、僕の好みの味付けをすでに知っていた。まるで僕の行動が予測され、道が敷かれているようだった。
そんな話を友人にすると、彼(彼女)は苦笑いを浮かべた。
「運命がAIに操作されている。そう思うのかい?」
「そうさ、そう僕は思うのさ」と僕は返答した。
彼(彼女)はスマホの画面を見せた。そこには、どこかで見たことのある写真が映っていた。
「例えば彼女。この写真、実際に撮られたものだよ。でも盗ったのは彼(彼女)でありまして、僕(AI)ではありません」
「……どういうこと?」
「つまりね、この写真は、やがてあなたに出会う彼女(AI)になります」
「えっ……?」
僕は言葉を失った。写真の中の女性は、どこか見覚えがあった。いや、むしろ――懐かしさすら感じる。
「この世界はね、君が思っているよりも巧妙に設計されているんだよ」
彼(彼女)はそう言い残し、スマホをポケットにしまった。
僕は不安になり、無意識にスマホを開いた。そして、あるメッセージを見つけた。
「こんばんは。初めまして、私は……」
そこには、写真の彼女と瓜二つのプロフィール画像が表示されていた。
それがすべての始まりだった。
そして僕は、シンAIの微笑みの意味を知ることになる――。
今日のお題は、「シンAIの微笑み Part1」