No.2791

題名:今日のお題は、「野心と恋の狭間でPart2」
報告者:ダレナン

(No.2790の続き)
美月に近づくため、社交的で誠実な男を演じた。彼女の趣味を調べ、自然と会話の中に取り入れる。時には偶然を装って図書館で鉢合わせ、彼女の好きなカフェに通い、彼女の友人たちともうまく関係を築いていった。

最初は冷たかった美月も、次第に僕に心を開き始めた。

だが、彼女は簡単に落ちる女ではなかった。

彼女は僕を試すような言葉を投げかけてくる。

「達也さんって、なんでそんなに優しいの?」
「私に近づく人って、みんなお父様目当てなのよね」
「あなたは違うの?」

まるで僕の真意を見抜こうとしているような瞳。

僕は動揺を見せずに微笑む。

「そんなこと、あるわけないだろう。俺は……君に惹かれているんだよ」

言葉だけなら、いくらでも嘘はつける。だが、その瞬間、僕の心がわずかに揺らいでいた。

本当にこれは”計画”なのか? それとも……?

そんなある日、美月が僕を庭に呼び出した。満開の桜の下、彼女はじっと僕を見つめていた。

「達也さん、本当のことを教えて」

「……何のこと?」

「あなた、本当に私を愛してる?」

今日のお題は、「野心と恋の狭間でPart2」

 
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