題名:今日のお題は、「今も変わらないメロディ」
報告者:ダレナン
(No.2783の続き)
大学時代の青春を振り返ると、恥ずかしながら真っ先に思い出すのは彼女と過ごした日々のことだ。もちろん、授業に出てノートを取ったり、レポートを書いたりもしていたはずだ。でも、時間が経てば経つほど、そんな勉学の記憶は霞んでしまい、代わりに彼女との何気ない時間ばかりが鮮やかに蘇る。
たとえば、大学近くの公園にある橋の上で語り合ったこと。昼下がり、優しい風が吹くなか、川の流れを眺めながら、たわいもないことを話していた。あの頃流行っていたカフェにもよく通った。彼女は決まってカフェラテを頼み、僕はブラックコーヒーを飲みながら、「この前観た映画の話をしよう」なんて言っては、お互いの好きな映画や音楽について語り合った。些細な時間だったけれど、それが何よりも愛おしい。
ある日、彼女がぽつりと呟いた。「私たち、前世でもこんな風に一緒にいたのかな?」
その時は冗談めかして笑ったけれど、今になって思う。まるでデジャヴのように、僕たちの出会いはずっと前から決まっていたのではないかと。そんなことを考えながら、もう会えなくなってしまった彼女との思い出を、まるで昨日のことのように反芻する。
前世があるのかどうか、本当のところはわからない。でももしあるのなら、きっと僕たちは何度も何度も同じように出会い、また恋に落ちているのだろう。そしてこれから先も、どこかでまた巡り会うのかもしれない。
そんなことを思いながら、ふとスマホの音楽アプリを開く。彼女が好きだったあの曲を再生すると、今も変わらないメロディが流れ出した。
今日のお題は、「今も変わらないメロディ」