題名:今日のお題は、「雪の妖精」
報告者:ダレナン
(No.2693の続き)
雪がしんしんと降る中、僕は静かな公園を歩いていた。白く染まった世界は、どこか幻想的で、まるで別の世界に迷い込んだかのようだった。息を吐くたびに白い霧が舞い上がり、寒さが肌を刺す。
そんな時だった。
ふと視線を向けた先に、彼女がいた。
まるで雪の妖精のように、繊細で儚げな存在。赤いコートに身を包み、ふわりと揺れるブロンドの髪は陽の光に照らされ、優しく輝いていた。彼女は空を見上げながら、手をそっと差し出し、舞い落ちる雪を受け止めていた。
僕はその場に立ち尽くした。心が奪われるとは、こういうことを言うのだろうか。冷たい夜の空気とは裏腹に、胸の奥がじんわりと熱くなるのを感じた。
気づけば、彼女も僕を見ていた。
「雪って、不思議ね。」
彼女は微笑みながら、そう呟いた。その声はまるで鈴の音のように澄んでいて、静かな世界に溶け込んでいく。
僕はなぜか、彼女を知っている気がした。いや、もしかするとずっと探していたのかもしれない。
「寒くない?」
そう尋ねると、彼女は小さく首を振り、「あなたの瞳が暖かいから」と、少し恥ずかしそうに言った。
その瞬間、僕の世界が変わった気がした。雪が舞う静かな公園で、僕は妖精のような彼女と出会った。そして、その記憶は雪が溶けても、決して消えることはないだろう。
今日のお題は、「雪の妖精」