題名:今日のお題は、「天に召される者にあたうる束の間の息吹」
報告者:ダレナン
(No.2483の続き)
前回のコーシン(No.2483)からすでに5日間経過した。4月からのシン仕事もあったのでコーシンを怠っていたが(笑)、それ以上にこの5日間でTVドラマ「高校教師」を見終えることもできた。
全11話。当時22才だった僕が、とてつもなくのめり込むように見たドラマだった。1週1週がとても待ち遠しかったことを覚えている。そして、僕の中ではこれ以上のドラマは僕のその後にはもはやなく、後の野島伸司のTVドラマ「人間・失格〜たとえばぼくが死んだら」は苦しいだけで愛が感じられず、「高校教師」は僕の人生での別格の愛のあるドラマだった。
今でも大好きともいえる主演の真田広之と桜井幸子。最高の助演である赤井英和、京本政樹、持田真樹、峰岸徹。もはや神がかっている役柄。間違いなく脚本家としての野島伸司の最高傑作だ。
ただ、当時、結末が不思議だった気がした。今見直してもそうだった。
「なんで結末でしなーっと電車内で制服の繭があらわれるのか? そして二人は電車内で寝てその後に警察に捕まる、そんな設定だけなの?」
そしてその結末の解釈が今現在、4つあることも判明した(1)。
1.二人は死んだ
2.二人は眠っているだけ
3.羽村は生きていて、繭だけが死んだ(繭の亡霊説)
4.繭は生きていて、羽村だけが死んだ(羽村の幻覚説)
当時の僕は2だと思っていた。愛し合う二人が1を選ぶはずはないとも。で、最後は警察に捕まるだけなのだろうかと思た。ただ、(1)の方の考察を見て、30年ぶりに納得いった。
この「高校教師」の結末は今思えば4だったのだと。
羽村は電車内で少しづつ意識を失いながら、たぶん服毒にて死んでいく。その過程において、過去の繭との想い出を反芻し、新たに車内での出来事へと回想させ、そして羽村は絶命してゆく。
それならばすべて納得がいく。
「ただそこにたった一人からの、永遠に愛し、愛されることの息吹を感じていたい 」。
それは間違いなく天に召される者にあたうる束の間の息吹。まさに、聖母の被昇天。高校のロケ地が日本基督教短期大学だった(2)のも不思議と納得できる(悦)。今日のお題は、「天に召される者にあたうる束の間の息吹」
(1) https://kujakunomai.com/13330/
(2) https://ja.wikipedia.org/wiki/高校教師_(1993年のテレビドラマ)