No.2343

題名:今日のお題は、「ゆり子さんを探せ」
報告者:ダレナン

(No.2342の続き)
 でさ、1993年の映画「チャタレイ夫人の恋人」のレビュー中に2015年の映画「チャタレイ夫人の恋人」のことなんやけど(笑)、上流階級の女性と下層階級の男性のメイクラブはやっぱタイタニック意識したんかな。Rose & Jack Dawson – My heart will go oneやん、やっぱ。で、これを意識したあまりに腑に落ちんとこがあったんかな。とおもた。だから、本筋の大事なとこ欠落しとったんかな。あんまり説明調になるとタイタニックにならんもんな(笑)。
 でも、漫画「チャタレイ夫人の恋人」を今読み終わって(笑)、D・H・ロレンスちゃんの原作にこれが一番忠実なんかもしれん。
 原作、読んでねーけど(笑)。
 一応、原作を調べた。すると、2つあった。木村政則と野口ゆり子の翻訳だ。前者の木村さんは英米文学翻訳家なので通常の翻訳本だが、後者の野口さんが、

「私がD. H. ロレンス(1885-1930)の作品を初めて読んだのは半世紀ほど前でした。結婚し、子供を生んで、少し時間ができたので、30年程前にまたロレンスを読み始めました。当時、流行っていた精神分析にも興味を持って、ジュリア・クリステヴァの理論を用いてロレンスの作品を考察して書いたのが『ロレンス 精神の旅路』です。彼女のアブジェクシオンの理論は理屈抜きに理解できると感じました。その後、ロレンスはもううんざりという感じになって、アイリス・マードックを読み始めました。すると、ロレンスとマードックは正反対のように見えるものの、二人の奥底には同じ水脈が流れていると感じ、『ロレンスとマードック』を書きました。マードックもおもしろくて読み続け、『救済としての文学』を書き、犬を飼っていたので、動物に興味を持ち、『文学のなかの人間と動物』を書きました。研究書を書いている間に書きためた、乙女チックな詩を集めて、『詩集 四季』も出しました。精神的年齢は若いと感じても、肉体的年齢はそれ相応のようで、研究書を書く体力がなくなり、ロレンスの作品の翻訳を始め、KDPで出版するようになりました。短編から始め、翻訳に慣れたと感じたので、『チャタレー夫人の恋人』を訳しました。ロレンスの詩的言語は日本語にするのがとても難しいと感じます。詩を読むように読んで、理解できたと思っても、そのまま日本語にすると、意味不明になるのです。しかし、きれいな日本語で、きれいなチャタレー夫人を描き、若者に読んでもらいたいと思いました。ロレンスの物語は実体験と結びついていると感じたのは『セント・モーア』を訳したときです。私は還暦を過ぎてから乗馬を始め、下手ながらも馬に乗っています。『セント・モーア』は、当時私が乗っていた馬を思い出しながら訳しました。二頭とも表情やしぐさがそっくりなのです。ロレンスの観察眼に驚きました。」(1)

と紹介にあった。なにものなのだろうと俄然興味がわいてきました。調べるとたぶんここに書いてある人と同一人物ではなかろうか、そんな邪推が生まれました。今日のお題は、「ゆり子さんを探せ」です。

(1) https://www.amazon.co.jp/dp/B085ZXCRQZ/

 
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