No.2303

題名:今日のお題は、「目の前にあるごみ棄てた」
報告者:ダレナン

(No.2302の続き)
 そういえば細菌というか最近というか、細菌とウイルスは違うが、最近調子がいいためWe 留守する。もちろん妻の成美は仕事に出かけるが、僕も調子の良い日はなるべく出かけるようにしている。
 でも、今日成美の出がけにぷっぷぷっぷと屁が出てしまうと、すこし睨まれた。そして「今日できるとこでいいので、片付けお願い」といわれた。今日はフリマ出品のために本の整理をすこししようと思っていたので、「本の整理をこの前したけど」と成美に伝えたもののが、どうもそういうことでなく、ビンや空き缶などを棄ててほしいとの要望であった。でも、少しでも稼がないとと思いつつも、妻の要望をちゃんと聞かないことには、僕はひも、としての立場がなくなる。片付けを優先しよう。
 屁の効果かしらないけれども、その時に嫌な匂いが十万していた。フリマで十万ならいいが、屁の充満だった。この前に初めてフリマでの100円の利益だったので、とても十万までいかないものの、鼻の中には嫌な感じが次第に充満してきた。
 別に妻の成美は無理してまでのお願いではなかった。が、なんだか、「これ、たのむわ(でも、奴らの内心は、お前がやれ)」みたいなフラッシュバックが頭によぎり、今日はWe 留守することはやめ、一日中閉じこもって片付けすることを意識した。
 でも、片付けのたびにフラッシュバックがよみがえり、気分が滅入った。

 口だけではなんぼでもいえる。そして命令すれば、いいとこだけもらえる。あとは奴は椅子にふんぞりかえって成果を待っているだけ。そして、得られたものを、「俺が命令してこういう成果となったんです。すごいでしょ。」と伝える。すると、上はさすが●●さんと思う。ただし、下はやらされてへとへと。でも、これに気をよくしてさらに「これ、たのむわ(お前がやれ)」とまたも伝える。そして、またすると、またされる。またすると、またされる。またすると、またされる 。その繰り返しの中、今度は成果が出ないと「おめえのせいだ」となじる。そのうちに成果がとんとんとんなり、なじりが加速する。僕は追い込まれる。どこに?「お前、無能だから、死ね」の世界に。

 そんなフラッシュバックだった。
 僕はサルしたはずだ。猿の惑星から。
 でも、いつまでも彼らは僕の頭の中の椅子にふんぞりかえっている。奴らは今でものうのうと人に仕事させ、そして今でもへいぜんと高給をもらっている。
 
僕:「どうしてこんなことになっちゃったんだろう」

 妻の成美に頼まれた片付けをしながら、涙が止まらなかった。僕は一生懸命努力したはずだ。人に命令して、人をなじるだけの貴様らに、貴様らなんか…、と思って、これ以上それを考えることをやめた。そして目の前にあるごみを丁寧に拾い上げ、棄てた。今日のお題は、「目の前にあるごみ棄てた」。

 
pdfをダウンロードする


地底たる謎の研究室のサイトでも、テキスト版をご確認いただけます。ここをクリックすると記事の題名でサイト内を容易に検索できます。



...その他の研究報告書もどうぞ