No.2287

題名:今日のお題は、「心の穴とパンツの穴」
報告者:ダレナン

(No.2286の続き)
 コーヒーの飲みすぎだろうか。おしっこ模様を眺めると、そう感じることもある。
 ただし、本当は、年だ。年を重ねて、どんどんと年をとる。あの真新しいパンツも気がつけば、ち〇ことこうもんの中央部に穴が開いている。そのサイズちょうど人差し指が入るぐらいだった。トイレでパンツをおろすたびに、その穴に指を突っ込む。そうして、パンツの経年変化を感じるとともに、心身ともに僕自らの年も感じる。
 今日はちゃんと最後までにょうをだしきったぞ、と思いつつも、それでもじわりとくることもある。そのじわりは、じわりじわりと精神に堪える。僕は年をとったのだ、と。僕はもうすでにお年寄りなんだ、と。
 ただ、若いお年寄りもいるはずだ。「俺は年よりじゃねー」っていう人もいるはずだ。でも、人間なら同じく年をとる。若くしても細胞はちゃくちゃくと年を重ねる。パンツと同じく、いずれ細胞にも穴が開く。そしてこう思う。
 僕はたぶん青の時に、あの時に、あのひとと別れてから、心に穴が開いたままなのだろうか。
 もちろん妻の成美のことは「すっきやーでー」と伝えた。つい先日も、すき屋でねぎ玉牛丼を食べたばかりだ。今度はとろ〜り3種のチーズ牛丼にしようと意気込んでいる僕がいる。妻は先日のメニューへの目配りからすると、たぶん次はわさび山かけ牛丼を注文するだろう。そして、そのすき屋での帰りのすっきやでーのしあわせ感はちゃんと今も覚えている。年はとってもあの時の記憶は確かだ。成美も「うん、おいちかったね」とその時満面の笑顔を見せた。
 たぶん僕が死んでしまい、生まれ変わったとしても、きっと成美と結婚する。そう思えた瞬間。
 ただ、僕の過去の心の穴がパンツの穴のようにほころびたままなんだ。だから、「れりごー、れりごー」としてありのままの自分をここで執筆したい。そんでもって、今日のお題は、「心の穴とパンツの穴」にしよう。そうすれば、穴と雪の女王がやってくる。穴と雪の女王がこの執筆にやってくるはずだ(笑)。

雪の女王:「穴って。失礼しちゃうわ」

 パンツだけでなくズボンも穴が開く。その穴を埋めようとパッチするも、パッチの横に穴が開く。そしてさらにパッチし、パッチパチとなる。僕とズボンの間で火花が飛び散る。その火花が家計に燃え広がる。家計に燃え広がった火は、心に別の感情を呼び覚ます。

僕:「くそっ、あいつらのせいだ」

 でも、奴らを呪ったところで、焔は鎮火しない。The Unforgettable Fire。忘れることのない焔。
 でも、もうわかっているんだ。
 僕は前に進まなきゃ。過去を呪っても何も変わらない。年老いても、僕は未来に向かって進まないと、心の穴はふさがらないんだ。

 
pdfをダウンロードする


地底たる謎の研究室のサイトでも、テキスト版をご確認いただけます。ここをクリックすると記事の題名でサイト内を容易に検索できます。



...その他の研究報告書もどうぞ