No.2250

題名:今日のお題は、「奈落の底に輝く98円」
報告者:ダレナン

(No.2249の続き)
 妻の成美にしめじパスタを作った。とても喜んでくれた。
 人に喜ばれるってとってもうれしい。自分のためではなく、人のためになったからだ。それが自分のために、私利私欲を肥やすために、自己保身のために、地位や名誉を誇示するために、人を攻撃するようになると、醜い人間が産まれる。パワハラ・モンスターの輩の誕生だ。

 以前から僕は時々料理する。それは妻の成美、娘の茉依が喜んでくれるからだった。そのうちに、僕は腕を上げ、特にレシピ本を見て分量を測らなくともできるようになる。そして、買い物も楽しかった。あれ、これと考え、成美と茉依の食べている笑顔を考え、それをレシピにするからだ。

 でも、最近は買い物すら苦痛になる。口座からどんどんとお金が亡くなる原因だから。
 僕が亡くなって、お金も亡くなって、そのうちに笑顔もなくなる。

 彼らはまだのさばっている。この世に。とっととあの世に行けばいいんだ。

 彼らは。貴様らは。

 と、思ったところで、彼らがあの世に行ったとて、僕はもう生き返らない。
 僕はこの世ではすでに殺され死んだ人間、だった。

 月々にクレジットからお金がおろされる日が今日もやってきた。20日ぐらいと10日ぐらい。そして今月末には多額の税金がまたも徴収される。残された口座のお金がどんどんと亡くなる。そして、収支を見直しても、税金は容赦なく引き落とされる。そして、同時に、僕の心も引きずり落とされる。

 奈落の底に。

 とりあえず今日のお題は、「奈落の底に」にしよう。

 今日の空は、実にどんよりしている。それはまるで、僕の心を描いているようだった。ふとリビングを見ると、妻のポテチを食べている。その姿だけが、しあわせを感じさせてくれた。お買い得の98円のポテチを買ってきてよかった(笑)。

 ここで今日のお題を変更しようと思った。今日のお題は、「奈落の底に輝く98円」にしよう。この方が前向きだ(笑)。

 
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