No.2161

題名:僕を殺したんなら、
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的にNo.2160の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

舞衣子:「ほんとに、大丈夫…?」

平十郎:「うん、少し落ち着いた」

 ただ、胸の動悸が止まらない。起きてからも激しくドクンドクンといまだに鼓動している。
 頭も痛い。頭の中で小人がハンマーで叩いているかのようだ。舞衣子が心配そうに見つめていた。

舞衣子:「何か薬もってくる?」

平十郎:「頭が痛いので、バファリン…いいかな?」

舞衣子:「分かった…」

 そうして舞衣子は救急箱の中にあったバファリンを僕に渡し、ちょっと待っててといって台所にむかった。コップに水を入れる音がした。はい、これ、と僕にコップを差し出す。僕はバファリンを口の中に入れ、コップの水を飲んだ。
 しばらくすると、頭の中の小人がおとなしくなりつつあった。少し楽になった気がした。胸の動悸も収まりつつあった。
 僕はその安堵の中、思い切り心の中でわらを集め、人形にしてそこにかつての上司の名前を刻んだ。そして僕はそれに向かってくぎを打つ。
 彼らが苦しんでいる。
 彼らは苦しんでいる。
 少しずつ深くくぎを打ち続ける。どんどんと彼らは苦しみだす。

 (僕を殺したんなら、貴様らも〇ね)

 そう思った。くぎを打ち続けると、今度わらがバラバラになった。僕はポケットからマッチを取り出し、火をつけた。マッチ棒の先に明かりが見える。それをわらへと移す。燃えさかる炎。

 (もう、嫌なフラッシュバックは起こらない。起こらない。起こらない)

 そう念じながら、燃えさかる炎を眺め続けていた。燃え尽きると、その灰にめがけて僕は足を踏み下ろした。そして、何度も何度も踏み返した。灰の粉が宙に舞い散った。

 
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