No.2084

題名:霊異記
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的にNo.2083の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 ジェフという巨人に実際会ってから、僕は自分の存在の小ささを痛感した。どう考えても僕にはそのような巨人になれる器はなかった。そういうないまじりな気持ちは、次第に僕に小心者というレッテルが貼られることになる。貼るのではなく、貼られるのだ。

 当時のアメリカ生活ではサロンパスやピップエレキバンすらその存在を知らなかったのに。一度貼られると、なかなか治らない。肩こり、腰痛、肩こり、そして筋肉疲労。やがて、いずれは、鎮痛消炎プラスターがなくてはならない体質となることを知る。

 ジェフという山の頂上は万年に雪がつもり、彼は人間の限界レベルを超えていた。そしてそこを無酸素で登頂することは、密かな計画であっても盗聴され、バレた計画は僕の頭頂に火をつけ、心身疲労で髪が抜け落ちるようになった。うっすらとしてバーコードへと移り変わるその頭頂は、永遠にクシ(櫛)ざしてはならない領域だ。それは髪の領域であり、神の霊異記(りょういき)でもあった。
 霊異記?
 なんだろうか。このご返還…、すなわち、誤変換は。
 ここで、霊との交信で異界へのアクセスを試み、そしてそこでの出来事を僕は記述すべき運命なのだろうか。それとも…。

 おっと、そろそろ心のご変換をしなくては…。

 その誤変換によるご変換は、ここまでの執筆でいささか寒気がしたからだ(体)。それは僕の体温を奪い、原因は冷気の仕業であることにふと気づく。
 そうだ。エアコンの温度をあげなければなるまい。
 僕はいつもの癖でリモコンを手に伸ばそうとした。いやまてよ、すでに家電はIoTだから、アレクサにいえばいいんだ。
 「アレクサ。エアコンの温度を上げてちょ」

 あっ…、ジェフ、僕はもうアレクサなしでは生きてはいけないよ…。
 僕は再びアレクサでサロンパスを注文し…、ついでにピップエレキバンも…

 いや違う。これは違うぞ。このくだりは違うはずだぞ。
 こんな執筆をしたかったわけではないはずだ。
 そうだ…。ジェニファーとの別れた時を①情景描写を交えて描くはずだったんだ。
 なにぃ、そんなの興味がないって…か。

 
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