No.2050

題名:存在を
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的に No.2049の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

「そう、それだと機種変になっちゃう。だけど、りどる安心して。これIndiegogoでのプロトタイプの製品なんだ。だから、やっぱり躊躇しちゃう。これの正式な発売があったら、若干若干、そう若干心が傾くけれども、今はない。まだ今は…」
「まだいまは、ないんだにゃん。ということはきしゅへんなしで、まだいまは、ぼくはきえない。ここからきえることはない。そういうことだにゃんだな。でも、ちみは、めがさめれば、ひこうきのなかだけれども、きしゅへんしちゃうとぼくはしょうしつしちゃう。で、それはそれでかなしいにゃん…。ところで、にっしんのゆーふぉーどう?」
 そう言って。リドルは日清焼きそばUFOを勧めてくれた。いつの間にやら沢山の種類となっていた。しばし迷った。が、結局は原点に戻る。他が消えても、これだけは残る。それがオーソドックスな味だ。で、オーソドックスで思い出した。そういえば画期的な湯切り、ターボ湯切りがあったのもUFOだ。
「りどる、ターボ湯切りがあったよ、そうだ、ターボ湯切りだ。UFOの」
「そっ、たーぼゆきりで、ちみはかこにもどることができたんだにゃん。それがひんと」
「何だか話がこんがらがっているけど、こんがらがってという表現すら怪しいけれども、こういうことかな。僕はりどるに出逢った。そしてりどるのおかげで過去に戻った。過去のようでそれは過去を遡って次の未来に進むターボとなった。きっとそれはスーパーチャージャーじゃ、実現できなかったんだよね」
「そうだにゃん。あるていどのかいてんりょくがひつようだったからにゃん。そこからはじまるでー、たーぼのいりょく。ところで、えヴぁんちゃん、どう?」
「うん、いい人に出逢えた。これも運命だと思う。りどるのおかげだ」
「いやいや、たーぼのおかげだにゃん」、「素早く湯切り出来た気がする」、「そうだにゃん」、「目が覚めてもりどるにまた逢えるかな」、「きっとあえるにゃん。ぼくはいつでもここにいるにゃん」
 そうしてREM睡眠からDeep睡眠へと移り、僕は瞬く間にりどるの姿を見失った。混沌とした時間が流れ、飛行機は巡行していた。ふと目の隙間から、飛行機の窓の外から、光る物体が見え、それがUFOかと思えどもアブダクションされることもなく、それは翼の横を通り過ぎて行った。
 イスタンブール空港からワルシャワ・フレデリック・ショパン空港へは2時間30分ほどで到着する。目を覚ますかのように機内アナウンスの声が流れた。僕はそれに耳をそばだてると、間もなく到着することが判明した。
 2時間30分でも実際の多くの時間は寝ていたために、ほとんど時間経過の感覚がなかった。でも、不覚にも僕の□□は寝起きで大きく膨らみ、エヴァンジェリンの存在をすぐそばで感じたくていられなかった。ただ、それは本当のところ性的ではない。何かをエヴァンジェリンとともに感じたかった(図)。キスの先にあるともにの何かだった。

図 ともに1)

1) https://www.pinterest.jp/pin/724868502499117417/ (閲覧2021.6.2)

 
pdfをダウンロードする


地底たる謎の研究室のサイトでも、テキスト版をご確認いただけます。ここをクリックすると記事の題名でサイト内を容易に検索できます。



...その他の研究報告書もどうぞ