No.2045

題名:何かの交流のよう
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的に No.2044の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 思い込みスピ―に支配されていた僕は、空になったグラスを見て思い切りすきーに次の2杯目を頼んだ。それはジン・トニック氏であった。彼の度数は高く、酔いやすい。こ酔いな今宵に、まさに、ハイ。ハイなボールだった。ボールって、タマか。タマがハイ。ジン・トニック氏も冷静にクールしている。すなわち、タマタマがキンキン…、いや違う。ジン・トニック氏は、タマベースではなく、ジンベースのカクテルだった(ここのくだりは、二十歳以上になります)。
 志向的なそれでいて思考的なスピーは実に便利だった。いいも悪いもスピーの責任に転換できる。己じゃない。そこに己は不在だ。なんて便利な極(ごく)だろうか。そして、僕は、それを踏まえ、ジン・トニック氏をごくごく堪能した。若干どころでない良いで、僕はプラウドフットさんがどうしようもなく愛おしく感じた。良い…悪い…でも酔い。スピーでカーがそう答えている。それは、アルニコのマグネットを持ったスピーでカーがそう奏でている。それはさしずめフレミングの左手の法則のようだった。アルニコ、フェライト、でもネオジムももしかしてよかったのかな…? ここで何を考えているのか分からなくなった。そ、そうだった。
 そのアルニコの磁石(自責)に問われるように、機内を去る前の握手したあの感覚が再び蘇ってきた。プラウドフットさんと握手して、僕にどうしよもうなく嗚咽させたあの妙な涙現象だった。
 そこで、僕は、もう一度、彼女のペンダントにある…いるRozalia(Rosalie) Lubomirskaの説明をしている愛しきプラウドフットさんの手をぎゅっと握った。彼女から感じられる温かさがどうしようもなく心地よかった。僕には彼女はもはやすでに特別な存在だった。そして、その気もそぞろに、また一瞬、あの電流が体を巡るような体験をした気があった。でも、今の僕には、感情をコントロールする液体、トム・コリンズ氏あるいはジン・トニック氏のおかげもあったのだろうか。幾分、冷静で、それでいて情熱的に、心持ちが落ち着いていた。僕は、その時と違い嗚咽することなく、彼女の手をぎゅっと握りしめることができた。冷静と情熱のあいだだった。愛だだった。きっとこれでエ・エンヤ。これで(図)。

図 これで1)

 「プラウドフットさん、大好きだ」、とつい口からこぼれ出た。トム・コリンズ氏あるいはジン・トニック氏の冷静さと裏腹にとても情熱的に自然にこぼれ出たセリフだった。彼女は一瞬、こっちをじっと見た、つかのま「わたしのこと、エヴァンジェリンと呼んで」と、うれしそうに答えてくれた。
「エヴァンジェリン、大好きだよ」
「ミチオ、うん、分かってるよ…」(なんだ、もうすでに分かってる…の…か…?)
 僕たちはそれから、イスタンブール空港からポーランドのワルシャワ・フレデリック・ショパン空港行きに搭乗する時間まで、一緒にそこでともに時間を過ごした。それは、お互いの祖母の魂を通じての何かの交流のようでもあったのかもしれない。でも、実のところ真かってな解釈に基づく己のスピーでもその価値は分からなかった。でも、それでも、彼女と今を一緒に過ごす。それが僕の使命のように感じていた。

1) https://www.amazon.co.jp/フォー・ラヴァーズ-「冷静と情熱のあいだ」テーマ曲集-エンヤ/dp/B00005OOH6 (閲覧2021.5.27)

 
pdfをダウンロードする


...その他の研究報告書もどうぞ