No.2044

題名:思い込みスピー
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的に No.2043の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 僕は心の底から告ることで、プラウドフットさんはテレながら、一枚の写真を取り出した。
「これ、わたしの亡くなった祖母なの。ほら、見て…。なんとなくミチオさんと雰囲気が似ているでしょ。わたしね、だから、ミチオさんのことが機内に入った時から胸騒ぎがして、どうしても他人と思えなかったの…」
 僕はよくその写真を眺めた。確かにどこか似ている。僕から見ても他人とは思えなかった。
「それで、わたしね。ミチオさんの乗り換えの飛行機にさっき急遽、予約したのよ。ちょうど明日からバカンスだったし、1週間後にポーランドに行くつもりだったし、ミチオさんの話を聞いて、わたしも祖母の故郷のポーランドの足取りを調べなきゃと思いたったの。もちろんミチオさんと一緒に。急だけど、それ、いいかな?」
「もちろん」
 僕は内心、逢ってすぐで、しかも一緒に旅行とは…。もはや心はうきうきしていた。釣り堀でウキを眺めているとウキウキがピクピクと反応している。そんなご都合主義なストーリーが現実に起こるとは思わなかった。僕にしてみれば、つい2、3日前は別荘で農協牛乳をかけてシリアルを食べ、その前は布団の中で放屁していただけの輩なのに。
 偶然とは恐ろしいものだ。いや本当に偶然なのだろうか。SIM交換してから僕は生まれ変わり、今まさに必然的に羽ばたこうとしている。
その時、プラウドフットさんの胸元がキラリと光ったのが目に留まった。そこにあるのはペンダントだった。そのペンダントに見覚えがある…。見覚えがある…? それとも胸元…?
「ちょっと質問していいかな」
 若干顔が上気していた。胸元のせいではない。トム・コリンズ氏の仕業だと思いたいが…、「そのペンダント、どこで買ったの?」と率直に尋ねてみた。
「えっ…、これ、これねー祖母のポーランド時代の形見なの」
「ふ〜ん。そうなんだ…」、僕は相変わらずじっと胸元を見ていた。プラウドフットさんも上気している。頬も赤らんでいる。たぶん、そうだ。これがスピリチュアル効果なんだ。僕に目覚めた思い込みスピー。
「これ、ロザリアよ。Rozalia(Rosalie) Lubomirska。知ってる?」
「いや、知らない」
 その時、バーの音楽がそこでスペインの血が騒いでるかのようにRosalíaのQUE NO SALGA LA LUNA (Cap.2: Boda [Audio])がここで流れてきた。でも、ペンダントのRozaliaさんはプラウドフットさん曰く、ポーランドの貴族女性、公爵夫人とのことだった。スペインのアーチストRosalíaさんではなかった。それでも、僕の心は、フラメンコするように踊りまくしていた(図)。

図 フラメンコ中1)

1) https://i.pinimg.com/originals/b9/37/b9/b937b91a4cbc61045674e53036a70ef2.jpg (閲覧2021.5.26)

 
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