No.2040

題名:導かれているような気分
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的に No.2039の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 ”アンジェリーナさん(仮)”と愛コンタクトしていると瞬く間に時間が過ぎた。機内のアナウンスはまもなくイスタンブール空港に着くことを伝え、乗客にシートベルトの着用を促した。ポーンと頭上のランプがつき、僕はシートベルトをはめ直した。ちょうど非常扉の横に座席があった僕は、目の前にCAの椅子があることに今、気付いた。そういえば、飛び立つ前にそこにCAさんがいたような…と思い出していると、着陸時には、その席に偶然にも”アンジェリーナさん(仮)”が座った。
 彼女は、僕にウインクしてくれた。僕も微笑み返すと、彼女もごく個人的なスマイルを見せた。運命的なつながりを感じた。よくある巷のご都合主義のにせスピリチュアルな心持ちを纏った僕は、空港ではなく彼女にこそ着陸しそうな第六感を帯びていた。
 飛行機は次第に高度を下げ、窓からはトルコの街並みが見え始めた。そして、その街並みがどんどんと大きくなったかと思うと滑走路に飛行機が降りたち、ジェットが噴射する音がした。飛行機は急に速度を落としながら、と同時に、機内アナウンスは空港に無事着陸したことを告げた。
 僕は、人生で、初めてイスタンブール空港に降り立った。数日前までまさかここまで来るとは自分自身予期していなかった。何かに導かれるように、そうあの子ネコ、機内の夢の中で見た自分の事を”りどる”と呼んでいたあの子ネコに、導かれているような気分がしていた。
 シートベルトを外して、荷物をとりだした。帰り際に、”アンジェリーナさん(仮)”に握手をした。その途端、何か稲妻のようなものが僕の体中を駆け抜けた。そして、僕の目から涙が出て、嗚咽してしまった。こんなことも初めてだった。
 「もしかしてお客さん、気分が悪いんじゃない?」。”アンジェリーナさん(仮)”とは別のCAさんがすかさず声をかけてくれた。”アンジェリーナさん(仮)”は「大丈夫だと思う」とそのCAさんに伝えた後、僕の目をじっと覗き込んだ。「わたし、エヴァンジェリン・プラウドフッド。宜しくね。あなたの名前は…」、「ミチオ・キザワといいます。今日はありがとう」。そして、プラウドフットさんは「ポーランドに着いたら、必ず連絡する」といって名前と電話番号が書かれた紙を僕に渡してくれた(図:ストーリー上はエヴァンジェリン・プラウドフットさんですが、ここでは一ファンとして、Angelina Danilovaさんの画像を使わせていただくことをお許しくださいませ。お許しくださいませ~)。

図 お許しくださいませ~1)

とてもうれしかった。そして、僕はその時、その瞬間の彼女の姿を目に焼き付け、彼女の髪に魅かれるように、その紙を大事に祖母の写真が入っている特別なポケットにしまいこみ、機内をあとにした。

1) https://www.instagram.com/p/B5CVn6hA2EJ/ (閲覧2021.5.21)

 
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