No.2036

題名:あの後2(V)度寝
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的に No.2035の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 その時、急に機内放送が流れた。
「本日は、当ハートビート・プレーンをご利用くださいまして、誠にありがとうございます。当機はただいま高度3万3000フィート、約1万メートル上空を順調に飛行中…のはずでした、が、乱気流により大きく機体が揺れて始めております。飛行には異常はありません、と言いたいところではございます、が、相当の乱気流は当機の安全を保障できるものではございません。もう一度繰り返します。

相当の乱気流は、当機の安全を、保障できるものでは、ございません。

シートベルトを確認していただき、やがて来るかもしれない当機の墜落に備えていただきますよう、皆様方におかれましてはご協力のほどよろしくお願いします」
 機内放送が終わるとサインはVが映し出され(図)、機体落下する方向に傾き、傍らで翼がぐにゃぐにゃと揺れ始めていたのが見えた。そして、ボキボキと何度か音がして、最後にボキリと大きな音がしたかと思うと飛行機の翼が見事に折れ、ハートビート・プレーンはまっしぐらに墜落の途へと至った。

図 サインはV1)

 (僕は、ポーランドへは行けずにこのままおしまいになるの…?)

ドカン…。

 気が付くと、僕はシートから完全にずり落ち、窓枠に頭を打ちつけていた。スマホも床に落としていた。スマホを拾い上げ、窓の外を眺めると、飛行機は順調に航行し続けている。
 (なんだ、あの後2(V)度寝で、またREM睡眠に夢中になったのか…)

ピちゃん…。

 スマホになにやら液がこぼれた。
 (なんの液だろうか…)
 相当に眠っていたようで、僕の口からは、あふれんばかりのよだれがこぼれて落ち、それがスマホにこぼれたようだった。とても恥ずかしかった。ただ、隣の人もその隣の人も、また前後の人も、多くの人が機内で眠っていたため、特に周りからは白い眼では見られることはなく、僕は幾分安堵した。

1) https://www.pinterest.jp/pin/292804413279294029/ (閲覧2021.5.14)

 
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