No.1998

題名:そのしいんとした中
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的に No.1997の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 思い出しつつ、くせになるとはこういうことかもしれない。わたしは鼻をほじりながら、花をほじった。庭先に一凛の花が咲いて、それが輝いていた。祖母が植えたひなげしだった。普通ならもう2、3か月後に咲くはずが、少し早い開花だった。
 その咲く策に、わたしは鼻をさくさくほじるとくせになることに気づかされた。そのくせ、花をほじることがやめられない。それで得られるのが鼻くそだから。まるで、ここの文章のようにその鼻くそは、永遠に輝いていた。だからこそ、そのDuchesse de Bourgogneの特徴は、一輪の花の如く、レッドビールの特徴として輝き続ける。そこで若干長く引用したい。なぜなら、Bo-he-mianさん、ベスト1000レビュアーであるところのBo-he-mianさんの、それがすごいからだった。「ヴェルハーゲ醸造所の「ドゥシャス・デ・ブルゴーニュ」は、オーク樽で18ヶ月熟成させた古酒と、8ヶ月間の若いビールをブレンドして造られたレッドビール。まず栓を開けると、シュワっと、ワインのような香りが瓶の口から立ち昇る。ここが普通のビールと違う。で、グラスに注ぐと、深みのある濃いルビー色の液体と共に、ものすごい泡が盛り上がる。パブなどで注がれる生ビールのような、きめの粗い泡だ。口に含むと、かなり強い酸味と、甘み・・・そして炭酸が鋭く舌を突く。かなり個性的な味で、ビールというよりもビアワインを飲んでいるようだ。ビール独特の苦味はほとんどない。その代わり、カシスのような(一般的にはチェリーやパッションフルーツと称される)果実の香りがする。絶賛する声も多い中、このビールは苦手、というレビューもあったが、確かに好みはかなり分かれる味かもしれない。特に、酸味が苦手な方は駄目かもしれない。筆者が飲んでみて強く感じたのは、ああ、酒っていうのは発酵飲料なのだな、ということ。とにかく、「歴史を感じさせる」味である」1)である。
 このレビューを見てると、やはり一度目の試飲と二度目の試飲で印象が異なるはずだ、として子音を踏む。ところで、子音ってなんだったっけ?
 時刻はすでに5時52分だった。起きてから1時間以上経過していた。
 窓から漏れる光は次第に強くなり、夜明けが近づいていた。しかし、まだ完全には太陽の姿は見せてはいない。夜露に輝くひなげしがさわさわと風に揺れるだけの音で、あたりはまだシーンとしている。しいんとしていた。それでも、そのしいんとした中で、祖母の声が耳に聞こえた。
 (最近、わたくしも随分、年をとってしまっちゃったわね。大事な金庫のことすら、忘れがちになっちゃうのよ。時間の流れって悲しいもんだわ。だから、この絵(図)の裏に、重要なメッセージを書いておくわね、ミチオ。そうそう、これね、ミチオの祖父のヤナチェクからもらったわたくしの大事な絵なのよ)

図 絵2)

1) https://www.amazon.co.jp/Duchesse-Bourgougne-ドゥシャス・ド・ブルゴーニュ-ドゥシャス・デ・ブルゴーニュ-DUCHESSE-BOURGOGNE-330ML/dp/B0067D3VHS (閲覧2021.3.17)
2) https://www.pinterest.jp/pin/14003448821773821/ (閲覧2021.3.17)

 
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