No.1991

題名:羽夢(Spring Dream)
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的に No.1990の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 確かに、臭い。その臭さが寝具の中でこもりにこもっていた。外気が寒いために寝具には入口も出口もなく、すべてが思いっきり閉ざされ、それは路頭に迷う内部拡散されたガスでもあった。そして、肛門から断続的にいずるそのガスは、ぷっぷぷっぷと弾発的に臭いを放っていた。それは、他人がその寝具の中に入ると、毒ガスによる密室拷問の如く、神経をしびらせ、麻痺させる。しかし、それを生み出した張本人、それはわたしだが、わたし自身は何ともなく平気だった。自家製ガスだったからだ。
 ただし、そのガスの影響は、自家製といえども、彼のREM睡眠虫をうごめかせる影響を及ぼし、彼が夢の中で幻覚を見るのも無理はなかったのだろう。
 そして、ここで少し複雑な事情にも気づいた。それは、わたしは、僕であり、僕は、彼でもあった。どれが正しいのか。それも正しいのか。どれも正しい。2の2乗(事情)で4だ。
 ただ、わたしと僕の間には時間的な違いがあり、わたしと彼の間には視点的な違いがある。これにさらに筆者を足すと、わたし、僕、彼、筆者と、4つの異なる認証がある。2の2乗(事情)で4だ。
 精神が混乱する。でも、その混乱こそが、ガスの影響であり、睡眠虫の仕業でもあった。次第にわたしは、REM睡眠からDeepな睡眠へと移行し、なんとか先のくだりからスマホ復旧へのきっかけをつかみたいと夢想していた。
 DeepからLightとなり、Awakeすると、スマホの画面が消えていたのがようやくわかった。そこで、電源を長押しし、起動してみた。うまく起動できない。若干スマホを振ってみた。そして、もう一度長押しした。ぶーっとなり、電源が入った。ロゴマークが出て、その後、ホーム画面に移った。よく見ると、またもやバッテリーの消耗が激しく、先ほど満充電したはずなのに、70%まですでに落ちていた。もう機種変しないといけないのだろうか。いや、まだ使えるはずだ。そうして、もう一度Qiの上にスマホを置き、布団をまくり上げて、ガス抜きをした。
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その図1)

 Spring Dream
 Photographer: 王梓七七
というスマホ上の画像を見ながら、網膜そして脳内に確実に露光しているであろう「愛しいあなたの…」のバネ(羽)のように飛び跳ねるがごとくあの羽夢(Spring Dream)が見られますようにと祈りつつ、私は再び眠りについた。そこには春はなくとも、心の季節は、国外線で海外に飛び立つ勢いでの羽田った。

1) https://www.pinterest.jp/pin/730568370802782318/ (閲覧2021.3.11)

 
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