No.1942

題名:幻聴
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的にNo.1941の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 その時を境に、僕は次第に幻覚を見るようになっていた。僕が生まれ育った5年前である1979を何度も繰り返し、繰り返しながら、僕の頭はコーガンし始めていた。そうして、頭の中のSmashingもPumpkins状態となり、Theがつくまでに発展した。そして、そんな幻覚中にノスタルジアは、Nostalghiaとなり、タルコフスキーへと変わった。「ロシア人作家のアンドレイ・ゴルチャコフは、助手で通訳のエウジェニアと共に、モスクワからイタリア中部のトスカーナを訪れていた。故郷ロシアに帰れば農奴となることを知りながらも帰国して自殺した作曲家、パーヴェル・サスノフスキーの取材のための旅も、終わりに近づいていた。アンドレイは心臓病を患っていた」1)。そして、その「主人公のアンドレイ・ゴルチャコフはタルコフスキー自身と解釈されている」1)。それは、そして、そのアンドレイは、絆を求める僕自身でもあった。

あぁ、足る古伏木。
僕は足るをして古き伏せた木々の下でぼっと(う)していると、幻聴な声も聞こえ始めた。

緑の野原に聞こえる声
彼らの喜びや平静や楽しみは
僕の心のさすらいに消え去った
思い出の歳月に形づけられた木々の枝を
僕は切り取っている
彼らの幻影を僕の中から追い払おうと

貯水池にたつ波の音
僕はノスタルジアに溺れる

 幻覚な眼前にある貯水池は、風がないにも関わらず揺られ波めいていた。それはまるで、デヴィッドのように、シルビアンしている。僕は、安易に引用することは避けたくとも、心がどうしてもそれを求め続けて、

あぁ、僕は何で、何度も何度も同じ地点を巡るのだろうか。そして、またも幻聴が聞こえ始めた。

(タケヒサさん、あなたの子どものオスカルが今日で3歳になったよ)
(そうなの、クミちゃん…)
(うん、そうなんだ。最近、オスカルはね。数を数えたり、絵本の物語の筋書きを記憶することができようにもなったんだよ。シズコさんもお父としていつも助かってる。タケヒサさん、ありがと…)

1) https://ja.wikipedia.org/wiki/ノスタルジア_(映画) (閲覧2021.1.17)

 
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