No.1860

題名:それを受けることができるか?
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的にNo.1859の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 にやりとしながら、僕の前を徘徊していたそのMoon人は、ある音を境に急に姿勢を正した。そして、奥の方を向いて敬礼をした。奥からは、独特なコツコツ音が聞こえてくる。そして、その音がだんだんと大きくなった。するとそこには別のMoon人、それはツキオだったが、が目の前に現れた。ツキオは牢屋を一瞥し、

ツキオ:「どうや、ノブヨシくん。牢屋の生活は…。
でもな、悪く思わんでくれ。殺ラクダ罪に問われとるさかいに、君は…。
というか、間違いなく殺ラクダ罪やけんどもな。でもな、本当は、わいはな、何となく分かっとんねん。
それとも…というか…
あれは、君とこぶちゃんの間の、暗黙の了解やったんやろ」

 僕は静かに頷いた。

ツキオ:「やっぱりそうか…」

「ノブヨシくん。残念だわ…

後ろから声がした。振り返ると、そこにはキーコさんがいた。キーコさんは「もう私たちには、こぶちゃんブランドのチーズが食べることできないのね…」、と言いながらツキオがいる格子の方に向かって歩いた。そして、そこをすり抜け、ツキオの横に立った。すかさずツキオは、相変わらずキーコさんのミニスカートの中を必死に覗いている。

(すり抜けた…、覗いている。でも、やっぱりリアルな3Dホログラフィのキーコさんか…)

ツキオ:「もしかしたら君は一生このままかもしれへん。そん時は無期懲役やな。なんせ、こぶちゃんはMoon Townの象徴やったからな。だからな、明日の裁判でどんな判決になろうとも、君はそれを受けることができるか? できるか。できるのか?」

 (明日、裁判か…)僕は再び静かに頷いた。

ツキオ:「裁判は明日の朝や。今のうちにカレーライスたんと食べとき。うまいやろ、”特上”にしてって、わいが頼んだんや。君のためにな」

僕:「ありがとう」

 
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