No.1859

題名:それとも…
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的にNo.1858の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 それだけでいいんだ、と思うと、次第に真っ暗な闇はまさに闇をひそめるかのように周りの状況が確認できるまでに僕は落ち着いた。目の前には格子が見える。横には洋式トイレとベッドが備え付けられていた。そうだ、僕は牢屋に閉じ込められていたんだ。窓もなく、光もない、牢屋に閉じ込められている。でも、心の中には光が差し始めていたのを感じた。どこかには出口がある。ラクダ・マこぶちゃんのおかげで、僕はしんみりとしてそこに馴染んでいた。その時、遠くからコツコツとした足音が聞こえた。同時に、カチャカチャと物を運ぶ音も聞こえる。しばらくすると、格子の隙間から、「ほらよっ」とMoon人は何かを差し出した。
 その何かは、銀の皿、いや単なるアルミの皿。いや上にはスーパーGが乗っていた。カサコソとペルニクス走行して動いてはいるが、決してそのアルミ皿からはみ出すことなく、ぐるぐるとそこで回転していた。

Moon人:「ほれっ、ごちそうだ…。今日のはうまいでー。Japaneseレストランうまいんやの”特上の”カレーライスやで。ほれ、見てみ」。
僕:「ほれ、見てみっていわれても、それスーパーGやん」
Moon人:「ほれ、うまそうなカレーライスやろ…どーや」
僕:「はい。カレーライスです」

 見ると、アルミ皿の上にはほかほかと湯気の上がるご飯の上に、これまたほかほかとカレーが大盛りにかけられていた。さっき、見たのはスーパーG。だが、今は、カレーライスに見える。そう、見えた。誰もが感動する一場面。アルミ皿の上には、ほかほかの大盛りのカレーライス。僕は目を奪われた。
 さっき見たのは何だったんだろか…。とりあえずそのアルミ皿を持ち上げ、匂いを嗅いでみた。カレーライスに間違いない。お腹も随分と空いていた。カレーライスに間違いない…。そう思ってスプーンで一口食べた。

(やっぱりカレーライスだ。しかも相当に旨い。”特上の”というのも、あながち外れではない)

Moon人:「どーや、うまいやろ」
僕:「はい。とてもおいひぃです…」

 Moon人はにやりと笑いながら、僕の食べている姿をしばらく見ていた。その後、Moon人はあっちにいったりこっちにいったりして、格子の前を行ったり来たりしながら、ちらちらとこちらを見る。そして、二度見する。そのたびににやりとする。それの繰り返し。どうやら僕の食事が終わるまで待っているよう。時折、口笛を吹きながら、「まっ、改は“あらゆる食料へ改できる”からな」と小声でいう。すると、これは…。
 かちゃん…。半分ほど食べてから、はっとしてスプーンを落とした。その時、一瞬、目の前のアルミ皿にスーパーG(改)がのっていた気がした。が、意識を凝らすと、すぐに元のカレーライスに変わった。ちゃんと半分食べた跡もある。これは、一瞬の気の迷いだったのか、それとも…。

 
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