題名:ハイパーループ・カプセル
報告者:ダレナン
本報告書は、基本的にNo.1844の続きであることを、ここで前もってことわりたい。
見つめ合っていた二人はやがて僕の方に振り向くと、こっちこっちと僕を手招きした。手招きした位置まで歩くと、地面の上に、くるくるとループした無限大のような記号が書かれていた。キーコさんは、そのループ記号を足で押した。すると、ドアのようなものが現れた。
キーコ:「さっ、ノブヨシさま。この中に入って」
そうして、二人がドアの中に入るを見計らってから、僕もその中に入った。
バタン、シュイーン。一瞬、あたりが暗くなり、ぐん…と体が揺れたかと思うと、下の方に降りているような感じがした。しばらくすると、周りが再び明るくなった。目の前には、大型のカプセルが見えた。近づくと、そのドアが開いた。中には、ソファーのような座り心地の良い椅子が見えた。
キーコ:「ハイパーループ・カプセルに乗りますね」
ハイパーループ・カプセル…。どうやらそれは乗り物の一種のようであった。地球では見たことなかった。でも、その様子から、小型の個室地下鉄のようなものなのだろうか…。
「行き先はいかがいたしますか」 カプセル内でアナウンスが響き渡る。
ツキオ:「第1ドームの新新時代のノアの箱舟の館までいってちょーらい」
「承知しました」
ヒュイーン。しずかに、少しも揺れることもなくカプセルは発射した。
「あと1時間ほどで到着となります。お飲み物はいかがいたしましょうか」
ツキオ:「そやな。Moon Townビアーがええな。どうや、ノブヨシくんもいっぱいどや」
僕:「はい、それでいいです」
ツキオ:「Moon Townビアー、うまいでー。きっとびっくりすると思うわ。そやそや、ノブヨシくんも前もって第1ドームのこと、少しは知っといたほうがええかもな」
キーコ:「そうね。えっとね、第1ドームは、第3ドームの100平方kmに比べて、面積は半分ほどなんだけど、月の世界で最も古いドームなの。だからちょっと老朽化が進んでいてね…、