No.1842

題名:もちろん
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的にNo.1841の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 (Moon Townの、こぶちゃんブランド。
 こぶちゃんブランドが、Moon Townにあるの?
 えっ、どういうこと。
 こぶちゃんブランドは、僕のCreateの源じゃないの。
 それがなぜに、Moon Townの…?)
 僕の中の疑問から考えが混乱し、ふと、その成長がストップした。
 その時、遠くから、

ンゴォォォォォォオオオオオオオオオーーッ!

と鳴く声が聞こえた。僕の記憶が正しければ、それはこぶちゃんの声紋に違いない。多くのラクダが地球上にいたとしても、10歳からともに育ったこぶちゃんの声紋は、今でも確実に聞き分けることが出来る。僕にはその自信があった。しかも、幻聴ではない。でも、確証は持てない。もしかして幻の聴こえ…? でも、やっぱり、それは幻ではないだろう。確かに、遠くから鳴く声が、こぶちゃんの鳴き声が、聞こえる。

「ンゴォォォォォォオオオオオオオオオーーッ!

Moon Townの救世主。こぶちゃん。あなたは、そのこぶちゃんに浸透する。Moon Townにあるすべてのチーズは、こぶちゃんが源。しずかな源なのですよ。ハイ、チーズ。パシャ…、

ンゴォォォォォォオオオオオオオオオーーッ!」

 僕はその声のする方向に耳をそばだてた。目を向けると、そこにはエアーディスプレイが一瞬現れていて、最後、こぶちゃんの鳴き声とともに、その存在がふっと消えた。なんだろうか? あれは…。
 そこで、コンシェルジュのキーコさんに尋ねてみた。

キーコさん:「あれは、エアーデジタルサイネージですね。手っ取り早くいいますと、そこに人が存在していることがドーム内で感知されれば、自動的にエアーディスプレイが投影され、そこに広告が映し出される。そういった類の技術ですね」

僕:「ということは、こぶちゃんがMoon Townで、今も活躍している…の?」

キーコさん:「もちろんです」

 
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