No.1822

題名:若干の変化
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的にNo.1821の続きであることを、ここで前もってことわりたい。
 
 ダン・ダオッコ博士は、ツキオからキーコの蘇りに対して、これを了承し、最新式の記憶装置によってツキオの記憶からキーコの想い出を引き出すことに成功した。その記憶のキーも発見できた。
 白いドラゴン。
 しかし、その記憶の奥底を探った代償は、大きかった。ツキオと記憶装置とのシンクロ率が驚異の122%まで達成した後に、ツキオを昏睡状態にさせた。
 記憶装置によって記憶を操作させられた人は、時に廃人となる。Moon Townの刑法第1026条にも記憶操作に関する厳密な規定がなされていた。

 {刑法第1026条:個人の記憶操作に基づく使用目的に関しては、如何なる操作であろうとも、その個人の同意の下に帰属される。ただし、操作した人物が、個人を記憶の中に葬り去る、もしくは、個人を廃人とさせた場合には、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。}

 ツキオが昏睡状態から覚めた後、ツキオには様々な心理検査をさせられた。同時に、ダオッコ博士に対しても非難が集まった。しかし、幸いなことに、心理検査ではツキオに異常は認められなかった。そのため、ダオッコ博士の行為は刑罰には及ばないと判定された。
 ツキオの性格への若干の変化以外には。

ツキオ:「ダオッコ博士のおかげで、キーコに逢うことができそうやな。まっ、多少、わいが変わったとしても、結果オーライっちゅうことやな。でも、そのピンクの白衣、えろー似おっとるで。ピンクの白衣…、ピンク衣やがな。ダオッコ博士。その内側もきっとえろー、いんやろな」

ダオッコ博士:「そうね。ボンデージかもしれない、わよ」

ツキオ:「うひょー。ボンデージ。きゅっと、こう締め上げとる。そんな感じなんや」

 ツキオは、自分の制服の腰の部分を持ち上げ、きゅっとした。

ツキオ:「締まっとるでー、なんか、ここが、きゅーっと。そうや、ここがポイント!」

ダオッコ博士:「……、ツキオくん、そろそろMoon Town自警団の勤務時間じゃない…」

ツキオ:「ほんまや。じゃぁ、きゅーっと行ってくるで。ダオッコ博士、キーコの3Dホログラフィの件、よろしゅう頼むわ。頼むわな」

 
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