No.1794

題名:幸運のスコップ
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的にNo.1793の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 動画を見ても、フランコ・ハバド氏が何を言っているのか、理解できなかった。動画のセリフ自体に、何か口外しないように、できないように、分かりにくい味つけ的な暗号がなされているのであろうか。

ハバド氏:「Creatorの特権。それは世界を変えられるということだ。だから、ちみには、無理かもしれない。永遠に無理かもしれない。Analyzerとして、ぶーたれとるだけやからな。でも、諦めるでない。そう言えたのは、かつてちみのもとにこぶちゃんというラクダが、そばにいたからだ。でも、ちみは、それを葬った。葬ってしまったのだ。ただし、その月の土にこぶちゃんを葬った際のスコップを地球に持ち帰ってくれたおかげで、我々は偶然にも偉大な発見をすることができた。それが月の、静かの海にあった、香料メランジ。抗老化作用があることも発見できたあの香料だ。ちみが月から地球に還り、その後すぐに運よく我々がスペースZ社を乗っ取ることで、ついに我らのもとに勝機が訪れた、幸運のスコップ。そういうこっちゃ。ちみの名は、確かノブヨシくん、だったかな。月に出向いて、こぶちゃんを葬ったあほ。あほだねー、ちみは…。だから、ちみがこぶちゃんとの時代に提案した新時代のノアの箱舟。それをわしがパクる。そして、ついに、我々の計画として新たに誕生した。Create、新新時代のノアの箱舟。ただな、確かノブヨシくん、だったかな。ちみが第一陣として選定した動物、ラクダには大きな問題がある。そんな動物、月の世界に送っても意味ないやん。そんな動物、意味ないやん。月の砂漠を歩くやと…。ふん。やっぱ、考えが浅いわ。そりゃ、地球でも、月でも、食べられる動物が一番。そこで、わしは考えたんや。まず牛(ぎゅう)や。牛肉や。つぎは豚、豚肉や。次はニワトリ、こっちは鶏肉と卵もいけるで。卵やで。オムレツも月で作れるがな。それは、まず送らないかんやろ。わしはちょー美食家やからな。そして、それだけやない。わしはめちゃええこと思いついたんや。動物だけでは生態系が潤わんやろ。新しい月の世界の生態系が潤わんやろ。頭ええな、わし。冴えとるで。やっぱ、わしはCreatorやさかいに。ちみ、そう、ノブヨシだっけ、の、あほとちゃうで、わしは」

ジュニ・ヴェルヌーブ氏:「ハバド氏、今までの議論で、一つ提案があります」

ハバド氏:「ヴェルヌーブくん。なんだね」

ヴェルヌーブ氏:「これまでの議論を袋とじにしてはどうでしょうか。口外してはならないということから、秘密の袋とじにしては…、と、ふと思いました」

ハバド氏:「袋とじ計画か。さっすが、ヴェルヌーブくん。ちみもなかなか冴えとる。オドロクスキー氏とランチ氏と同じで、そろそろCreator准士官から、Creator将校へと階級をあげたるわ。今後も期待しとるでー、ちみには。ヴェルヌーブくん」

ヴェルヌーブ氏:「ありがたき幸せ」

 
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