No.1789

題名:カルトの高僧
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的にNo.1788の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 カサカサ、カサカサ。見ると、船内にゴキがいるのは一匹だけでないようだった。その内容はないようで、ある。ゴキの走行には、そう思えた。きっと、自動化されたオートマチック走行。

Moon人:「それでは、我々が辿ってきた歴史を話そうか。初期のころはあくまでもデータ上で見ただけの話やけんど。それでも、君には参考になるだろうて」

僕:「はい、おねがいします」

 Moon人は、大きく呼吸をして、息を整えていた。それは、今から重大な話をする。それを自ら納得させているような様子であった。足も小刻みに震え、貧乏ぶるいをしている。

「そうや。フランコ・ハバド氏のデューン計画は、それはもう独創的で、複雑的やったんや。計画書自体がな、文庫本にして7冊はある長大な代物や。そんでな、最初の3冊が重要なんやけんども、それだけでも具体化しようものなら、そりゃ大変なものやで」

「最初は、オレハカミ・オドロクスキー氏がな、それを実現しようと試みたんや。彼は、そう、いわゆる天才肌の人やな。なんせ、「俺は神だ。私は(その計画書を)読んでなかった、でも友達が絶賛して」と述べておるとおり、普通の人ならその時点で実現すること自体が無謀やん。でも、挑戦したんや。オドロクスキー氏はな」

「彼は、まあ、そうやな。ハバド氏の右腕、いや左腕、いや左足、いや体の中心、ち〇このような人やな。その卓越なる奥深い洞察力に、誰もが一目置いててな。カルトの高僧、って異名もあったんや。その彼が、デューン計画を実行する。そりゃ、もう、心が躍る、ちゅもんやろ」

「そこでな、わいはちゅうもしたんや。当時の伝説、「ホドロフスキーのDune」をな。…。なに、オドロクスキー氏と名が違うって。そんな細かいこと言うとったら、この先、話しできへんがな」

僕:「す、すみません」

「まっ、気にすんなや。人生、細かいことばっかり気にしとったら、冥土に行かれへんで。冥王星と土星の間。そこに何があると思う?」

僕:「冥王星と土星の間?」

 
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