No.1786

題名:まさに、完璧だった
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的にNo.1785の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 イロン・ナーシ氏との会合も無事終了し、これで正式にモモチ・コーポレーションとスペースZ社との共同事業が始まった。僕にとっては、まさに輝ける16歳のはじまり、といったところだった。ナーシ氏と随分と意気投合し、夢見ていたこぶちゃんとの月世界も、その実現を手にしたようなものだった。父は、父で、僕が仕事に関わり始め、モモチ・コーポレーションの三代目若頭として目覚ましく活躍するようになり、そのことで日々、霊力を陰から見守ってくれていた。もしかして、私よりもこの三代目には驚異的な力、特筆すべきことCreateが備わっている。後から聞くと、父は、僕の霊力に対してそのように評価していたらしかった。
 スペースZ社との共同事業も大々的に報道された。モモチ・コーポレーションはますます発展し、会社は順調に成長した。
 それから月日が経ち、共同事業を始めて4年目。ついに、ラクダの宇宙飛行服が完成した。その名も、こぶちゃんスペシャル。オールラクダに汎用性があるも、今回は特別にこぶちゃん用にあしらえた飛行服だった。その服は、地球上でも、宇宙空間でも、もちろん月の砂漠でも、こぶちゃんの動きが拘束されることなく、こぶちゃんの能力を、魅力を、時には増強させる。そのような代物であった。こぶちゃんは飛行服を着るたびに、

「ンゴォォォォォォオオオオオオオオオーーッ!」

と大いに鳴くその勢いに、日に日に拍車がかかったのは言うまでもない。

僕:「こぶちゃん。月世界に行くよ。近いうちに、月の砂漠を一緒に歩くよ」

こぶちゃん:「ンゴォォォォォォオオオオオオオオオーーッ!」

誇らしかった。その鳴き声が…。
 ついに、Moon Town計画の第一歩となる、Townの土地調査を行うことがスペースZ社で議決された。その調査を行う人選として何人かの候補があがった。しかし、僕にはこぶちゃんとの約束がある。しかも、ナーシ氏と秘密裏に進めていた新世代のノアの箱舟。その計画を実行するために、ナーシ氏はその人選にと、僕を熱く推薦した。誰もそれに反対する者はいなかった。人選が決まった時、スペースZ社の社員は皆口をそろえて、
「ノブヨシ殿。バンザーイ」
と言ってくれたのを、今でも覚えている。
 その後、ナーシ氏と綿密に相談し、月の土地の調査は、静かの海から、ということも決まった。

僕は宇宙飛行士、友達のこぶちちゃんと、今まさに月世界に飛び立とうとしている。宇宙服は準備したか、Yes。こぶちゃんの飛行服は、Yes。まさに、完璧だった。

 
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