No.1784

題名:それが、15の夜。
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的にNo.1783の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 かつてMoon Town計画は、とん挫しかかっていた。莫大な予算がかかり、輸送コストがパフォーマンスを上回り、それによって大きな損失が発生していた。それを仕切っているスペースZ社も、あらゆる機器の開発の危機に陥っていた。そして、それほど内容がなくともテキトーな語句ですます。それがあだとなって、社内も混沌としていた。創設者のイロン・ナーシ氏は、この状態を見返り、世界各国の業種を模索し、この先、我が社の命運を握るであろう協力会社を血眼になって探していた。その白羽に矢が立ったのが、モモチ・コーポレーションであった。

モモチ・コーポレーション社訓:「あらゆる人に、神秘を与え」

 イロン・ナーシ氏はその神秘にあやかり、あらゆる人の中にスペースZ社も含まれている。そう確信した。そして、モモチ・コーポレーションの二代目である百智信忠にコンタクトを取った。それがファースト・コンタクト。そのコンタクトが吉とでるのか、凶とでるのか、その時は分からなかったが、何かにすがるかのように、彼も啓示を受けたのかもしれなかった。

ナーシ氏:「我が社も貴社の神秘にあやかりたい」

信忠:「よろし」

 父、信忠は、このファースト・コンタクトが吉となることを確信した。信じて吉となる。そうして、そこにMoon Townなる基地も完成すると。その夜、父は僕、信吉にスペースZ社との事業における合同開発について、話してくれた。
 それが、15の夜。
 自分の存在が何なのかさえ解らず震えていた僕でも、10歳からのこぶちゃんとの夜を過ごすことで、明らかに違う存在へと生まれ変わろうとしていた。
 それが、15の夜。
 夜寝ている間に、隣でかすかに耳に響いていた(ンゴォォォォォォオオオオオオオオオーーッ!)という寝息。その寝息に、僕のひらめきは留まることを知らなかった。
 それが、15の夜。

(僕:「そうだ。Moon Townの基地に動物園を作ればいいんだ」)

 そんな夢を見ている傍らで、こぶちゃんも(ンゴォォォォォォオオオオオオオオオーーッ!)(ンゴォォォォォォオオオオオオオオオーーッ!)と賛同するかのように寝息を立てていた。

 
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