No.1782

題名:大事な点
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的にNo.1781の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 むかしむかしあるところに、それは大きなこぶをもったラクダがいました。名前は、こぶちゃんと言いました。そのこぶちゃんには、特技がひとつ、いや、みっつありました。
 ひとつめの特技は、その独特な鳴き声です。牛のようでありながら、アシカのようでありながら、豚のようでもある。しかし、そのどれとも違い、周囲によく響き渡るような鳴き声でした1)。これを文字にすると、「ンゴォォォォォォオオオオオオオオオーーッ!」という声をメガホンで響くようにした感じでした1)。
 ふたつめの特技は、写真を撮ろうとすると、「ンゴォォォォォォオオオオオオオオオーーッ!」と鳴く。ある意味、それも当たっています。しかし、正確にはチーズです。はい、チーズというわけです。
 というわけで、こぶちゃんのチーズは、特製なのです。それは、タンパク質にヒントがあります。
 ラクダのタンパク質は、実は乳凝固に牛の2.5〜3倍の時間がかかり、酵素凝固が難しく、ほとんど酸凝固しない。カゼインのバランスが特徴的で、カゼインκが約5%しかない。ちなみに、牛では、13.6%であります。そして、ミセル ド カゼインの大きさが牛の約2 倍ですから、脂肪球と結びつき、脱水が上手くいかない。熟成が難しい、などの特徴があります2)。それゆえに、本来なら、飲料乳にしかなりません2)。これを、原乳の処理、凝固の導き方、脱水と熟成の方法を改良することで、美味しく、軽く、他に類を見ないチーズへと生まれ変わらせることができるのです2)。これが、こぶちゃんブランドの威力なのです。
 さて、みっつめの特技は何でしょうか?
 そうです。これが最も重要な特技なのかもしれません。
 ここまでストーリーを読んだ方は、お判りでしょうか。
 こぶちゃんは、Createrの源泉となるのです。
 「ンゴォォォォォォオオオオオオオオオーーッ!」と鳴いては、Createし、「ンゴォォォォォォオオオオオオオオオーーッ!」と鳴いては、Createする。月の砂漠を歩くたびに思い出します。なんて、楽なんだ。なんて、ラクダなんだと。
 あなたも貧相な想像と創造に対して嫌気がさした時、こぶちゃんのことを頭に思い浮かべてください。

 おっと、ここで重要な間違いに気づきました。

 Createrの綴りが違っています。これまで、書き続けたストーリーの中の綴りももちろん大間違いです。
 
 正しくはCreatorです。eではなくoです。
 すなわち、e(いー)っと思わせるよりも、o(おー)っと思わせる。それが、Createの大事な点なのです。

1) https://www.excite.co.jp/news/article/Rocketnews24_176295/#:~:text=ラクダの鳴き声は牛,にした感じである。(閲覧2020.7.16)
2) http://blog.cheeseatoz.com/2015/05/blog-post.html (閲覧2020.7.16)

 
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