No.1780

題名:冷蔵機能がある
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的にNo.1779の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

真っ黒な宇宙服を着た人:「ラクダって、あの動物の?」
僕:「そうです」

真っ黒な宇宙服を着た人:「で、そのラクダとやらは月の砂漠を歩いたんか?」
僕:「はい、一緒に歩きました」

真っ黒な宇宙服を着た人:「でも…」
僕:「でも?」

真っ黒な宇宙服を着た人:「君は、そのラクダを埋めたな。月の土に…」
僕:「はい」

真っ黒な宇宙服を着た人:「殺したのか…」
僕:「いいえ、そんなこと絶対にないです」

 そうして、その真っ黒な宇宙服を着た人は、宇宙服のヘルメットをかぶったまま、口の部分だけをウィーンと開けた。ふぅ、とため息をついた。か、と思うと、ポケットからスプーンを取り出して、ケーキにスプーンを突き刺し、食べ始めた。

真っ黒な宇宙服を着た人:「ケーキがあるけど、君も食べるか?」
僕:「はい」

 奥から別の宇宙人物なる人がやってきて、僕にスプーンを手渡した。ヘルメット内の情報によると、この船内の空気は、地球上と同じだった。そこで、僕は安心してヘルメットを脱ぎ、ケーキにスプーンを刺した。ピコン、宇宙服の情報ユニットは、ケーキの周りの温度が低いことを感知した。やっぱり冷蔵機能がある。この船には。

真っ黒な宇宙服を着た人:「ところで、君が、Moon Town計画を知っているとはな。君が知っているMoon Town計画について話してくれないか」
僕:「はい」

 そうして、イロン・ナーシ氏との出逢いから、こぶちゃんのこと、そして、Moon Town計画の動物の宇宙服事業に僕が関わったこと。そして、その成果で、今回月の世界に来たことを、事細かに話した。

 
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