No.1776

題名:画面を見つめた
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的にNo.1775の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 想像と創造の果てにある作られた月の世界で、僕はひとりぽつんと残された。耳元で瀕死だったこぶちゃんの鳴き声が、今でも響いている。だから、もうラクダ、とは決していえない。ラクダではないのだ。その想像と創造の果てにある、作られた世界(The World of Creater)がまったく見えないからだ。
 Analyzerであれば、ラクダ。あーだこーだと文句をたれればそれでよい。さも、それについて「えらいんだぞ、おれは。えっへん」とばかりに、その世界について語るだけだ。ただでさえ、年取ると、さも自らそこで得た経験がすごいかのように、”その世界を語る”。でも、その語りには、神はいない。その世界に住む住人が吠えているだけ。ただの住民だ。
 だから…。Createなき後、その感性には管制塔は応答しない。その感性には“誰も応答しない”。そこにThe World of Createrがない、のだから。

 月の砂漠は~砂~だらけ~。

 荒涼として殺伐とした月の世界で、着陸船の中で、僕はしばし、ぼーっとしていた。

がぁーーーーーーーっ

 通信機が何かを傍受した。どうやらそのがぁーーーっという音は、どうやら雑音のようではなかった。通信機のモニターの電源をOnにして、画面を見つめた。

「そもそも芸術は、パトロンがあって成り立っていたものです。
過去の偉大な音楽家・ショパンもシューベルトも、ルノアールやモネのような画家も、メディチ家のような銀行一家や政治家、貴族など大金持ちのパトロンがあったからこそ芸術家は成り立っていました。」1)

がぁーーーーーーーっ

「しかし今は、一人一人のそのクリエイターに対する思いで支援し、誰もがパトロンになることができるのです。
その仕組みを作りをしたのがPatreonです。」1)

がぁーーーーーーーっ

1) https://galcid.com/galcidpatreon/ (閲覧2020.7.11)

 
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