No.1738

題名:つみいしき
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的にNo.1737の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 ばれい。ばれい…、そうか、ばれいか…

「ふ~ん、そうなんだ。あたしにしたことも?」

 Kちゃんはたちあがってまどのそとをみつめていた(ず)。でも、ぼくはまだすこしあたまがくらくらしている。まどからのあかるいひざしが、それをじょちょうさせているかのようだった。
「Sくんもたしかきょうしごとないっていってたよね。わたしもそうなんだ。あのね、きょう、わたしといちにちつきあってくれるかな?」

ず Kちゃん1)

 りせいのひもをとこうとしても、さくばんケイちゃんとなにがあったのか、いまだにさっぱりおもいだせなかった。ぼくのなかで、なんだかつみいしきがめばえてきていた。

「サナダくん。きょうから、サナダくんのことキッペイくんってよんでもいいかな?」
「いいけど…」
「じゃぁ、キッペイくん。きょういちにちつきあってくれたら、わたしにしたことおしえてあ・げ・る。なんてね…」
「わたしにしたこと…。わかった…。そうするよ」
 タカミ・ケイコ。そうだ、おもいだした。タカミ・ケイコちゃん。
あのときいっしょにいたのは、タカミ・ケイコちゃんだ。

「どうしたのきっぺい。ぼーっとしちゃって」
ジェシカにいわれてはっとした。きおくが、なんだか、にほんでのかいしゃじだいのきおくが、よみがえっていた。
「いや、なんでもない。ちょっとあたまがくらくらしているだけなんだ」
「だいじょうぶ?」
「たぶん」

1) https://www.pinterest.jp/pin/329466528989436399/ (閲覧2020.6.18)

 
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