No.169

題名:円の直径と円周との関係
報告者:トシ

 円の直径と円周には深い関係がある。算数や数学に得意な人であれば、何を今更という問題ではある。その円の直径と円周の関係の関係式は、以下のようになる。

円周/円の直径 = 3.14…    (1)

これを見て分かるように、どのような円であれ、円であるならば不思議と上記の関係式が成り立つ。一般化して、円の半径をr、円周をlとすると、

l = 2πr (2)

となる。2rは円の直径となり、このπ(パイ)が、3.14…であり、円周率と呼ばれる。これが公式を覚える際の「えるいこーるにぃぱいあーる」の暗号の元であり、(1)と(2)はまったく同じ意味を示している。しかしながら、下図を見てもらいたいが、これを見て円の直径と円周との関係、すなわち円周率が考えつくであろうか。普通の人ならば、考えつかないであろう。まさに考えついた人は、天才である。そこで、これ以後は、このπについて注目したい。
 円周率の起源は非常に古く、紀元前2000年前まで遡ることができる1)。ただし、ほぼ現在の3.14の値にまでに迫った

図

図 円に関する関係

のは、紀元前3世紀の古代ギリシアの数学者、物理学者、技術者、発明家、天文学者であったアルキメデスとなる2)。彼は円に外接する多角形を正96角形までに分け、そこから、このπが

223/71(=3.1410845…) π 22/7(=3.142857....) (3) となることを解き明かした2)。今から2250年もの前の話である2)。このようにして、円の直径と円周の関係は、円周率として帰結した。ただし、この円周率は小数点以下が無限に続く無理数(小数で表すと循環しない無限小数3))である。その桁数は今でも計算されており、旭松食品株式会社情報システム課の近藤茂氏によって、2011年時点で10兆桁まで求められている4, 5)。 1) https://ja.wikipedia.org/wiki/円周率の歴史 (閲覧2016.2.6) 2) 中村滋: 古代ギリシアの数学者たちの新しい姿 ピュタゴラス、アルキメデス、ヒッパルコス. 数学教育の会. 2007. 3) http://www.weblio.jp/content/無理数 (閲覧2016.2.6) 4) http://www.nikkei.com/article/DGXKZO88264670Z10C15A6W12001/ (閲覧2016.2.6) 5) https://www.youtube.com/watch?v=kVxshq-6EXc (閲覧2016.2.6)

 
pdfをダウンロードする


地底たる謎の研究室のサイトでも、テキスト版をご確認いただけます。ここをクリックすると記事の題名でサイト内を容易に検索できます。



...その他の研究報告書もどうぞ