No.1618

題名:鳴り石の浜の魅力
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的にNo.1617の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 しばらく国道9号線を走っていると、軽トラのフロントガラスにぽつぽつと雨粒が落ち始めた。間欠ワイパーをつけると、かちゃん…かちゃん…と一定の間隔で、雨をぬぐう。空の景色も、だんだんと暗くなった。どうやら、ひと雨降るような空模様だ。かちゃん…かちゃん…。さっきまで、かなり晴れていたのに…。

晴美:「カツオくん、雨降ってきちゃったね」

 晴美さんは、とても寂しそうにつぶやいた。ついさっき、晴美さんから涙がポロリと こぼれたような状況を見たせいか(No.1617)、僕のこころも次第に、Fyrstaのように、Ólafur Arnaldsした。

「天気予報では今日は晴れだったけれどもね」

晴美:「そうだね…」

 ドライブはいつも晴れだとは限らない。時に、ここ山陰地方は、中国山脈の対面でくっきりと天気の違いが現れる1)。急に雨模様となってもおかしくはない。

晴美:「カツオくん、雨降ってきているけど、晴美からお願いしてもいいかな。もうすぐ近くの、鳴り石の浜に寄ってくれるかな…。ちょっと、海みたいんだ…。こんな天気だけども…。ごめんね」

「…。いいよ…。分かった」

 鳴り石の浜は、琴浦海岸の西に位置する、ごろた石といわれる楕円形の石が集積した珍しい自然海岸で、特に、海が荒れる日には打ち寄せる波によって、これらの石がぶつかり合う1)。その独特の響きがいつも不思議なたたずまいを感じさせる1)。僕も、かつては、そう、琉花と出会う前、当時とっかえひっかえと付き合っていた女性といっしょに、この鳴り石の浜までZX-10Rを走らせた思い出がある。鳴り石の浜は、恋人と仲がよくなる等々いろいろな事がよくなる願いが叶うと言われる。その伝説に、この景色に(図)、誰もが魅了される。僕としては、都合よく、その景色で簡単に落とせる場所でもあった。でも、琉花と出雲大社に向かう間、あえて僕はここに寄らなかった。琉花に対しては、正直に、面と向かって対話したかったからだ。この鳴り石の浜の魅力を使わずに…。だから、今回、晴美さんからここに寄りたいと言われた時、ちょっと躊躇した。別に、晴美さんを落としたい訳ではない。僕自身の琉花への愛を信じたい。そう願っていた。

図 鳴り石の浜2)

1) https://umbrellaly.com/sanin-weather-rain/ (閲覧2020.2.9)
2) http://www.kotoura-kankou.com/kankou-category/nature/nariishinohama/ (閲覧2020.2.9)

 
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