題名:舟唄 by 八代亜紀
報告者:ダレナン
本報告書は、基本的にNo.1616の続きであることを、ここで前もってことわりたい。
JUJUの「やさしさで溢れるように」の後も、FMからは相変わらずいろんな曲が流れてくる(No.1616)。そのどれもが僕はあまり知らなかった。なんとなく聞いたことはあるものの、流行にはうとい僕にとって、どの曲も口ずさむことはできなかった。でも、晴美さんは、違った。どの曲に対してもうまくメロディを口から奏でていた。(晴美さんは、歌が好きなんだ)。改めて、この時、晴美さんの違う面を見た気がした。
晴美:「カツオくん、そういえば、カツオくんってどんな曲が好きなの?」
「最近の曲はあまり知らない。でも、伯父が「お酒はぬるめのカンがいい…」1)ってよく歌っているから、この曲はよく知ってる」(図)
晴美:「サカナはあぶったイカでいい…だよね」1)
「女は無口な ひとがいい…」1)
晴美:「じゃー、わたし失格だね。よくしゃべるから…」
「いや、そんなことないよ。とても素敵だよ。晴美さん」
図 舟唄2)
晴美さんの方を向くと、ちょっと照れていた感じがした。
晴美:「そういえばさー、カツオくん。この前、随分と飲んでたよねー」
「あの時は、迷惑かけたね」
晴美:「ううん、ちょっとうれしかった。カツオくんといっぱいしゃべれたし(寄りかかってくれたし)…ね。そういえば、カツオくん、琉花の、どんなとこ好きなの?」
「やっぱ全部かな。琉花といっしょにいると、琉花のこと”愛してる”なーって思えるんだ」
晴美:「カツオくん、遊び人なのに…?」
「昔はね。いまはそうじゃないよ」
晴美:「昨日も琉花といっしょだったの…」
「うん、まぁ、そうだよ」
晴美:「そっか、カツオくん、琉花のこと大好きなんだね…」
「そうだね、間違いなく」
その時、晴美さんから{涙がポロリと こぼれ}1)たような、そして、ふいに晴美さんからまたあの香りがした。僕はその香りにダンチョネになり、信号待ちで不覚にも晴美さんをじっと見つめてしまった…(ダンチョネ?)。助手席の車外の窓からは、沖のカモメが、深酒(20歳以上限定)しているかのように、ふらふらと飛行していたのが見えた。それはまるで、僕のこころを表しているかのような飛行でもあった。
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2) https://www.youtube.com/watch?v=yGI0QZ4Gk34 (閲覧2020.2.7)