No.1612

題名:参考までに
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的にNo.1611の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 気がつくと朝になっていた。僕の隣には琉花がすーすーと寝息を立てていた。寝顔を見ていると、しばらくして、「あっ、カツオくん。起きてたの。おはよ」とささやいた。
「朝、早いんだね」、「漁師の習慣かなー、いつもこれぐらいだよ」、「ふ~ん」、「今日、晴美と宍道湖に行くんだよね」、「ああ、うん、まーね」、「わたしも別の調査がなければ、行きたかったなー。晴美と二人だけで大丈夫?」、「別に危ない所に行くわけじゃないし、行って、調査して、帰ってくるだけだし」、「本当に、二人きりで大丈夫?」、「もちろんだよ」、「本当にほんと?」、「うん」、「信じていい?」、「いい」。琉花の少し不安そうな顔が消え、にっこりと笑顔を見せた。

「よかった」

「朝食、ありあわせのものだけど、それでいいかな」

「それでいいよ。ありがとう」

 じゅー…、しばらくして、琉花はきれいに焼けた目玉焼きと軽く焼いた食パンと簡単なサラダを運んできた。「いま、コーヒーも入れるから、待っててね」。その後に、コーヒーも運んできた。

「HAKUSENほどじゃないけど、一応コーヒーにはこだわりがあるんだー。これ、キリマンジャロ。セブンサミッツの…、なんてね…」

「あっ、おいしいコーヒーだね」

「そう、分かる?」

「分かる分かる…。最近、缶コーヒー飲まなくなったからね…」

「缶コーヒーとくらべると、なの(ちょい怒)」

「ごめんごめん」

 朝食を終え、身支度をしていた時、琉花は急に、

「ほら、この前、カツオくんが酩酊した時、カツオくん、晴美に寄りかかっていたでしょ(No.1595)。あの時ね、晴美、カツオくんのこと、いとおしそうに見つめてた」(図)

図 参考までに1)

「ふーん、そうなのか」

「そうなの」

「…」

1) https://www.pinterest.jp/pin/633952085033236507/ (閲覧2020.2.6)

 
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